米万鍾(読み)べいばんしょう(英語表記)Mǐ Wàn zhōng

改訂新版 世界大百科事典 「米万鍾」の意味・わかりやすい解説

米万鍾 (べいばんしょう)
Mǐ Wàn zhōng

中国,明末の画家書家生没年不明。字は仲詔。号は石隠,友石。安化(陝西省)の人。北京に移り住み,万暦23年(1595)の進士,官は太僕少卿に至った。山水は呉派,花卉(かき)は陳淳に学んだが,米芾(べいふつ)の後裔といわれ,奇石を好み,画風にも奇異な趣味がみられる。海淀(北京)に築いた勺園(しやくえん)は当時有名であった。また書家として,邢侗けいとう),張瑞図(ちようずいと),董其昌(とうきしよう)とともに,〈邢張米董〉と称された。代表作《寒林訪客図》(大阪,個人蔵)。
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ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典 「米万鍾」の意味・わかりやすい解説

米万鍾
べいばんしょう
Mi Wan-zhong

[生]?
[没]崇禎1(1628)
中国,明末の画家,書家。字は仲詔,号は友石,石隠など。祖先は関中 (陝西省) の人で,父の代に北京に移る。万暦 23 (1595) 年進士となり,官は太僕寺少卿にいたった。絵は范寛王蒙を学んだと評されたが,現存作品の様式的振幅は大きく,浙派 (せっぱ) を学んだと思われる作品や,きわめて個性的な画風を示すものも多い。書家としては 邢侗,張瑞図,董其昌 (とうきしょう) とともに「邢,張,米,董」あるいは「南董,北米」と並称された。著書に『澄澹堂文集』などがある。

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