日本大百科全書(ニッポニカ) 「陳淳」の意味・わかりやすい解説
陳淳
ちんじゅん
(1159―1223)
中国、南宋(なんそう)の学者。字(あざな)は安卿(あんけい)、号は北渓(ほくけい)。漳州(しょうしゅう)竜渓(福建省)の人。官は泉州安渓県主簿(しゅぼ)。黄榦(こうかん)(1152―1221)と並ぶ朱熹(しゅき)(朱子)の高弟。思索に長じ、主として哲学理論の面で師の説を継承し、その宣揚に努めた。主著『字義詳講』(別名『北渓字義』あるいは『性理字義』。門人王雋(おうしゅん)録)は彼の特徴をよく表した書で、命・性・心・理など朱子学の重要な哲学用語26(版本によっては25)について、それぞれの意味を詳論している。
[山本 仁 2016年2月17日]
『宇野茂彦訳注『陳北渓』(『朱子学大系 第10巻 朱子の後継 上』所収・1976・明徳出版社)』