粃糠性脱毛症(読み)ひこうせいだつもうしょう(その他表記)Alopecia seborrhoicum

六訂版 家庭医学大全科 「粃糠性脱毛症」の解説

粃糠性脱毛症
ひこうせいだつもうしょう
Alopecia seborrhoicum
(皮膚の病気)

どんな病気か

 粃糠性脱毛では頭にふけが多く、毛髪が薄くなります。思春期以降の男性に多い病気です。

 脂漏性(しろうせい)皮膚炎に脱毛が伴ったものと考えられています。

症状の現れ方

 頭全体に細かい灰白色のふけが固く付着しています。頭皮は赤く、かゆみもあります。炎症が強いと頭皮に痂皮(かひ)(かさぶた)が付着します。毛髪は細く乾燥しています。前頭部から頭頂部にかけて脱毛が始まり、次第に拡大します。

 脱毛の状態と頭皮の状態から診断が可能です。

治療の方法

 ステロイド外用薬を使って頭皮の炎症を抑えます。かゆみに対しては抗ヒスタミン薬内服します。また、ビタミンB2、B6の内服を行います。

病気に気づいたらどうする

 頭の毛、頭皮には、機械的刺激を避けるようにします。

嵯峨 賢次

出典 法研「六訂版 家庭医学大全科」六訂版 家庭医学大全科について 情報

家庭医学館 「粃糠性脱毛症」の解説

ひこうせいだつもうしょうふけしょう【粃糠性脱毛症(ふけ症) Alopecia Pityroides】

[どんな病気か]
 ふけは、角質(かくしつ)と皮脂ひし)が表皮から自然に脱落するもので、もともと生理的な現象です。ところが、皮脂の分泌異常(ぶんぴついじょう)や角質の代謝異常(たいしゃいじょう)があると、ふけの量が多くなり、かゆみをともなったりして脱毛がおこります。これが粃糠性脱毛症です。
[治療]
 局所療法として、サリチル酸製剤やレゾルシン製剤を含むヘアローションなどが使用されます。全身療法としては、ビタミンB2、B6剤などを内服します。
 洗髪は、頭皮を清潔に保つために必要ですが、あまり頻繁(ひんぱん)に洗うのは逆効果です。週に2~3回が適当で、中性シャンプーを使用します。
 二硫化(にりゅうか)セレンを含むシャンプーを週1回くらい併用すると、ふけやかゆみの症状に効果があります。ただし、これも使いすぎると皮膚炎などをひきおこし、症状を悪化させることがありますから注意しましょう。

出典 小学館家庭医学館について 情報

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