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尿路感染症 にょうろかんせんしょう urinary tract infection

翻訳|urinary tract infection

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世界大百科事典 第2版の解説

にょうろかんせんしょう【尿路感染症 urinary tract infection】

尿路すなわち腎臓,尿管,膀胱,尿道の細菌感染症をいう。原因菌は,大腸菌プロテウス菌のようなグラム陰性杆菌や,ブドウ球菌連鎖球菌のようなグラム陽性球菌のことが多い。結核菌や淋菌などによって起こる尿路感染症は,それぞれ独特の症状と経過をとるため,尿路の特異的感染症と呼び区別される。症状の経過によって急性と慢性に大別される。前者は急激に発症し短い経過で完全に治癒するが,後者では長びき一進一退をくり返したり,いったん治癒してもすぐ再発したりする。

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日本大百科全書(ニッポニカ)の解説

尿路感染症
にょうろかんせんしょう

腎臓(じんぞう)、膀胱(ぼうこう)、尿道などの尿路にみられる細菌感染症の総称。この場合、結核菌などによる特異性感染症は一般に含まれず、非特異性細菌感染症のみをさすと考えてよい。また、男性の尿道炎は淋菌(りんきん)性尿道炎など性病としての性格が強いため、尿路感染症とは別に扱われる。したがって、一般に尿路感染症といった場合は、おもに腎盂(じんう)腎炎(代表的な上部尿路感染症)と膀胱炎(代表的な下部尿路感染症)をさすと考えてよい。感染症としては、呼吸器感染症に次いで頻度の高い疾患である。
 経過により急性と慢性に、また感染を引き起こす基礎疾患の有無により、基礎疾患のない単純性と、基礎疾患のある複雑性とに分けられるが、一般に単純性尿路感染症は急性の経過をとることが多く、また20~30歳代の女性に多い。一方、複雑性尿路感染症は慢性の経過をとることが多く、基礎疾患としては尿路結石、水腎症、膀胱腫瘍(しゅよう)、膀胱尿管逆流、神経因性膀胱、前立腺(せん)肥大症などが多いため、いずれの年齢にも発症がみられるが、一般には高齢者に多く、また若干男性に多い。
 原因菌は急性尿路感染症では大腸菌が多いが、慢性尿路感染症では大腸菌のほかに肺炎桿(かん)菌、変形菌、レイ菌、緑膿(りょくのう)菌、腸球菌など多種にわたる。尿路への感染経路としては血行性感染、リンパ行性感染、周囲臓器からの直接感染などもあるが、大多数は上行性感染であり、この場合の感染源としては尿道、腟(ちつ)、腸内などの常在細菌叢(そう)が重要である。
 診断には膿尿と細菌尿の存在が重要な指標となる。一般に、遠心分離機にかけて上澄みを除いたあとに残ったもの(尿沈渣(ちんさ))を顕微鏡検査して、400倍の視野に5個以上の白血球が認められれば膿尿と考え、尿路感染症を疑ってよい。また、尿1ミリリットル中に10万個以上の細菌が認められた場合には細菌尿と考えてよく、尿路感染症と判断される。膿尿と細菌尿から尿路感染症が診断されれば、腎盂腎炎と膀胱炎の鑑別のための部位診断、さらに基礎疾患の有無についての検索も必要となる。
 治療は抗生物質などによる化学療法が中心となるが、基礎疾患を有する複雑性尿路感染症では一般に難治であり、また再発をしばしばみるため、基礎疾患に対する治療が感染を根絶するうえで重要である。化学療法剤としてはペニシリン、セファロスポリン、アミノ配糖体系の抗生物質などが繁用される。[河田幸道]

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