糸の調(読み)いとのしらべ

ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典の解説

糸の調
いとのしらべ

地歌歌本。享保 (1716~36) 期以後の大坂系の歌本のなかで,最も古くから刊行され,その後の増補も最も多い代表的なもので,横本体裁から次第に分厚くなって枕本体裁となった。寛延4 (51) 年栢原屋版のものに始り,享和1 (1801) 年の『新大成糸のしらべ』と題する菊永検校らの校訂版を経て,文化9 (12) 年の浅野高造編版では2冊本となった。京都系の『糸の節 (ふし) 』類と対比される。

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世界大百科事典 第2版の解説

いとのしらべ【糸の調】

長唄。正式の題名は《三曲糸の調》。9世杵屋(きねや)六左衛門作曲といわれる。義太夫節壇浦兜軍記(だんのうらかぶとぐんき)》の〈阿古屋琴責(あこやことぜめ)の段〉を長唄に移したもの。景清の行方を追及され,三つの楽器の演奏を強要されながら音色に乱れを見せなかった遊君阿古屋が主人公。長唄では筋立てはほとんど述べず,箏・胡弓・三味線の手組みをすべて三味線で弾き,うたと間奏とを楽しむ純演奏曲になっている。歌舞伎の〈阿古屋〉でもこの曲が用いられている。

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