純再生産率(読み)じゅんさいせいさんりつ

百科事典マイペディア 「純再生産率」の意味・わかりやすい解説

純再生産率【じゅんさいせいさんりつ】

ある世代母親が次の世代にどれだけの母親を産み残すかは,1人の女子生涯に産む平均女児数で示される。これを総再生産率というが,これからさらに死亡する女児の分を差し引いたものを純再生産率という。将来人口増減を表し,それが1より大なら人口は増し,1より小なら減るものと考えられる。→出生率合計特殊出生率

出典 株式会社平凡社百科事典マイペディアについて 情報

ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典 「純再生産率」の意味・わかりやすい解説

純再生産率
じゅんさいせいさんりつ
net reproduction rate

次世代において人口が再生産される率を統計的資料もとに導かれた指標をいう。基本的には女子人口の年齢別女児特別出生率で次世代の母となるべき数が推計できる。しかし病気事故などによる死亡があるから,出生女児の減少を考慮し,ある死亡確率で総再生産率を割引くことによって得られるものが純再生産率である。

出典 ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典について 情報

世界大百科事典(旧版)内の純再生産率の言及

【人口】より

… 先進諸国の出生率の動向と水準には,かなり著しい差異がみとめられるが,基本的な特徴は歴史上かつてない低水準を達成しているということである。そのような傾向を,より正確に人口の再生産をあらわす合計特殊出生率total fertility rate(1人の女子が生涯に産む平均子ども数),総再生産率gross reproduction rate(1人の女子が生涯に産む平均女児数),純再生産率net reproduction rate(総再生産率から,死亡する女児を差し引いたもの)によって考察してみよう。 女子1人当り(あるいは夫婦当り)の平均出生子ども数をあらわす合計特殊出生率が2である場合は,夫婦2人から子ども2人ということで世代がほぼ維持されることになる。…

※「純再生産率」について言及している用語解説の一部を掲載しています。

出典|株式会社平凡社「世界大百科事典(旧版)」

今日のキーワード

カイロス

宇宙事業会社スペースワンが開発した小型ロケット。固体燃料の3段式で、宇宙航空研究開発機構(JAXA)が開発を進めるイプシロンSよりもさらに小さい。スペースワンは契約から打ち上げまでの期間で世界最短を...

カイロスの用語解説を読む

コトバンク for iPhone

コトバンク for Android