純正調オルガン(読み)ジュンセイチョウオルガン

デジタル大辞泉 「純正調オルガン」の意味・読み・例文・類語

じゅんせいちょう‐オルガン〔ジユンセイテウ‐〕【純正調オルガン】

純正調による演奏の可能なオルガン。明治22年(1889)田中正平ドイツ発明

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精選版 日本国語大辞典 「純正調オルガン」の意味・読み・例文・類語

じゅんせいちょう‐オルガン‥テウ‥【純正調オルガン】

  1. 〘 名詞 〙 ( オルガンは[ポルトガル語] orgão ) 純正調の音律を演奏できるハルモニウムおよびオルガン。一オクターブ間に二〇の鍵を有する。音楽学者田中正平が、一八九〇年ドイツ留学中に発明。

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日本大百科全書(ニッポニカ) 「純正調オルガン」の意味・わかりやすい解説

純正調オルガン
じゅんせいちょうおるがん

純正調での演奏の可能なハルモニウムおよびオルガンの総称。普通は田中正平(しょうへい)がドイツ留学中に創案し、論文『純正調の領域の研究』(1890)とともに発表し、ハンス・フォン・ビューローによって「エンハルモニウム」Enharmoniumと名づけられた楽器をさす。この楽器は、微分音を区別するために黒鍵(こっけん)が2または3に分割されており、1オクターブ間に20の鍵を有する。このため、平均律で調律された普通の1オクターブ12鍵のオルガンでは出せない、ほぼ純正調の音律が出せるようにくふうされている。演奏には特別な楽譜を用いる。田中は帰国後、日本でもさらに改良を加えて数台製作したが、実用化までは至らなかった。なおこの楽器は今日、東京芸術大学など数か所に保存されている。

[川口明子]


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