デジタル大辞泉
「田中正平」の意味・読み・例文・類語
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たなか‐しょうへい【田中正平】
- 物理学者、音楽学者。淡路国(兵庫県)出身。東京大学物理学科卒。ドイツに留学し、純正調理論を発表。それに基づくハルモニューム、パイプオルガンを製作・公開した。帰国後も純正調オルガンを製作。昭和一三年(一九三八)朝日文化賞受賞。文久二~昭和二〇年(一八六二‐一九四五)
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田中正平
たなかしょうへい
(1862―1945)
物理学者、音楽学者。淡路島(兵庫県)生まれ。1882年(明治15)東京大学理学部物理学科を卒業。1884年文部省留学生としてドイツに3年間留学を命ぜられ、なお私費で1899年まで滞在し、その間ヘルムホルツらに師事して音響学や電磁気学を研究した。そして1890年には独自の純正調理論とそれに基づく純正調オルガンを製作発表し、ドイツ皇帝に拝謁を許され、称賛を得るなど、西洋音楽理論史上に残る大きな業績をあげた。帰国後、鉄道技師として要職につくとともに、邦楽研究所を設け、邦楽の育成と研究にも力を注ぎ、日本の音楽学の草分けとなった。
[白砂昭一]
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田中 正平
タナカ ショウヘイ
明治〜昭和期の物理学者,音楽学者
- 生年
- 文久2年5月15日(1862年)
- 没年
- 昭和20(1945)年10月16日
- 出生地
- 淡路国三原郡(兵庫県)
- 学歴〔年〕
- 東京大学理学部物理学科〔明治15年〕卒
- 学位〔年〕
- 理学博士〔明治25年〕
- 主な受賞名〔年〕
- 朝日文化賞(昭12年度)〔昭和13年〕
- 経歴
- 明治17年ドイツに留学し、ベルリン大学でヘルムホルツにつき音響学、電気学を研究する。22年純正調オルガンを発明、「エンハルモニウム」と命名された。23年論文「純正律の研究」でドクトルの学位を受け、純正調オルガンをドイツ皇帝の前で演奏する。24年明治天皇から千円賞賜され、32年帰国。41年日本鉄道株式会社技師、のち鉄道院鉄道試験所長を歴任した。大正元年退官し、田中電気研究所を創立し、電気信号装置など多数発明する。そのかたわら邦楽を研究、「三絃楽速記法」を考案して約三千種を採譜。また社団法人大日本音楽協会理事長、文部省国民精神文化研究所員などを歴任し、著書に「ヴァイオリンにて純正音の表出」「日本和声の基礎」など。
出典 日外アソシエーツ「20世紀日本人名事典」(2004年刊)20世紀日本人名事典について 情報
田中正平
没年:昭和20.10.16(1945)
生年:文久2.5.15(1862.6.12)
明治から昭和にかけての音響学者,電気学者,音楽学者。淡路国(兵庫県)三原郡出身。明治15(1882)年東京大学物理学科卒業,2年後ベルリン大学に留学,ヘルムホルツに音響学を学んだ。在独中,世界初の純正調オルガンを製作,ドイツ皇帝の前でバイオリン奏者ヨアヒムと合奏した。32年帰国後は日本鉄道株式会社技師,鉄道試験所長,田中電機研究所長,大日本音楽協会理事長などを歴任,また自宅に邦楽研究所を設けて邦楽およそ3000曲の洋式五線譜作成に尽くす一方,美音会,美音倶楽部を組織して邦楽の普及向上に努めた。昭和12(1937)年度朝日賞受賞。<著作>『日本和声の基礎』
出典 朝日日本歴史人物事典:(株)朝日新聞出版朝日日本歴史人物事典について 情報
田中正平
たなかしょうへい
[生]文久2(1862).5.15. 兵庫
[没]1945.10.16. 千葉
音楽学者,物理学者。東京帝国大学理学部物理学科卒業 (1882) 。2年後ドイツに留学,音響学者 H.ヘルムホルツのもとで研鑽し,1889年純正調の理論および純正調リード・オルガンを創案して発表,92年には純正調パイプ・オルガンを完成して,バイオリニスト J.ヨアヒムと合奏,試演した。帰国後は邦楽の五線譜化,新進邦楽家の養成や演奏会開催など邦楽界の発展に尽力した。
出典 ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典について 情報
田中正平 たなか-しょうへい
1862-1945 明治-昭和時代前期の音楽学者,物理学者。
文久2年5月15日生まれ。明治17年ドイツに留学,ヘルムホルツに音響学をまなび,23年世界ではじめて純正調オルガンの試作に成功した。帰国後,鉄道院鉄道試験所長をへて田中電機研究所を創立。また自宅に邦楽研究所をひらき,おおくの邦楽曲を採譜した。昭和20年10月16日死去。84歳。淡路(あわじ)(兵庫県)出身。東京大学卒。
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田中 正平 (たなか しょうへい)
生年月日:1862年5月15日
明治時代-昭和時代の音楽学者;物理学者
1945年没
出典 日外アソシエーツ「367日誕生日大事典」367日誕生日大事典について 情報
世界大百科事典(旧版)内の田中正平の言及
【楽譜】より
…近世邦楽のほとんどが律旋陰音階([都節]の音階)であるため,諸音の関係はミ,ファ,ラ,シ,ドあるいはレ,ミに当たり,これを調号なしで記譜するようになった。みずからも作譜して推進したのは音響学の研究で知られる音楽学者田中正平(1862‐1945)である。この場合三味線の基調である本調子の一の糸が楽譜上のロ音となり,男声の歌唱音域である平調律旋陰音階とほぼ合っていた。…
※「田中正平」について言及している用語解説の一部を掲載しています。
出典|株式会社平凡社「世界大百科事典(旧版)」