細菌で起こる皮膚病の特徴と対処

六訂版 家庭医学大全科 の解説

細菌で起こる皮膚病の特徴と対処
(皮膚の病気)

 皮膚は体をくまなくおおって、細菌感染真菌(しんきん)感染など外部からのいろいろなものの攻撃・侵入を防ぐ防御壁になっています。皮膚には人に病気を起こさない常在菌がいて、人に害を及ぼす菌の侵入を防いでいます。

 細菌の感染を恐れるあまり、消毒薬薬用石鹸をいつも使っていると、かえって皮膚に有益な常在菌をも殺してしまうことになります。

 皮膚への病原菌侵入を防ぐには、皮膚をいたずらに傷つけないことと、病原細菌が侵入しやすくなる他の皮膚の病気を起こさないような日常生活の注意が最も大切です。糖尿病や肝臓病の人、免疫力が落ちている時などでは、皮膚に細菌感染が起きやすくなります。おできなどが次々にできたり、繰り返し起こったりする時は、全身の検査を受けましょう。

 細菌で起こる皮膚病の特徴は、その部位が①赤くなって、②はれて、③痛みがあり(押さえればもちろん、時には触らなくても痛い)、④触ると熱く感じ、病気が進めば⑤うみや汁が出るような状態になります。病気によって症状の程度に差がありますし、また、必ずしもすべての症状がそろうわけではありません。

 まず正確な診断をつけることが重要で、原因となっている細菌がわかれば、それに合った抗菌薬ですぐに治ります。

 いくらよい抗菌薬がある現代でも、素人判断で治療が遅れれば、皮膚だけの病気にとどまらず、全身的問題を起こすことになります。また、抗菌薬を不適切に内服したり塗ったりすると、抗菌薬の効かない、いわゆる耐性菌(たいせいきん)メチシリン耐性黄色ブドウ球菌など)が出てきますから注意が必要です。

出典 法研「六訂版 家庭医学大全科」六訂版 家庭医学大全科について 情報

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