消毒薬(読み)ショウドクヤク

百科事典マイペディアの解説

消毒薬【しょうどくやく】

消毒に使用される薬物。非特異的な作用を示す細胞毒であるため生体内に適用することはない。次のような薬剤がある。1.酸およびアルカリ。2.塩類(マーキュロクロム,硝酸銀,硫酸銅)。3.酸化剤(オキシドール,過マンガン酸カリ)。4.フェノール類(クレゾール)。5.セッケンおよび界面活性剤。6.有機溶剤(ホルマリン,アルコール)。7.色素(クリスタルバイオレットなど)。8.有機化合物(クロルヘキシジン,エチレンジオキシド)。その他サルファ剤,抗生物質などの化学療法剤も消毒に用いることがある。なお,旧来,賞用されてきた薬剤で,その後,副作用が指摘され使用中止になっているものもある(マーキュロクロムなど)。
→関連項目殺菌殺菌剤

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大辞林 第三版の解説

しょうどくやく【消毒薬】

消毒に用いる薬剤。消毒用アルコール・石炭酸・クレゾール・オキシドール・ヨードチンキなど。消毒剤。

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日本大百科全書(ニッポニカ)の解説

消毒薬
しょうどくやく

消毒剤。病原微生物を死滅させることを消毒といい、消毒に用いられる薬品が消毒剤で、殺菌剤ともいう。手指、皮膚、粘膜、手術野の消毒から、食器、器具、機械、室内、排泄(はいせつ)物、便所、井戸水、プール、水道水などに、感染症の予防はもとより、各種病原菌の汚染を防止するために使用される。
 理想的殺菌消毒剤として具備すべき条件は、(1)あらゆる病原微生物に対して、きわめて低濃度で有効であること、(2)菌体以外のタンパクその他の有機物の存在による効力の低下がみられず、速効的であること、(3)消毒すべき器物を損傷しないこと、(4)人畜に対しまったく無害であること、(5)化学的に安定であること、(6)着色せず、無臭であること、(7)安価で使用方法が簡単なこと、などがあげられる。しかし、実際には殺菌消毒剤は殺菌作用に選択性があり、有機物によって有効性に強弱がある。消毒剤の効力判定には石炭酸係数が用いられる。消毒剤の作用機序(メカニズム)は、化学反応によって菌体のタンパクに変性がおきたり、酵素系を阻害することによる。
 現在よく使用される消毒剤には次のようなものがある。手指や注射器などの消毒に用いられるものには消毒用エタノール(消毒用アルコール)やイソプロパノール(50%)などのアルコール類、室内の消毒や衣服、ガーゼ類の消毒に用いられるものにホルマリン(ホルムアルデヒド液)、手術用や救急用器具の消毒や肝炎ウイルスの消毒に用いられるものにグルタルアルデヒドといったアルデヒド類がある。アルカリ剤では生石灰が排泄物や便所などの消毒に用いられ、ハロゲン類では飲料水の消毒に用いられる塩素ガスや、塩素の消毒効果を利用したさらし粉、次亜塩素酸ナトリウム液、亜塩素酸ナトリウム液がある。ヨードチンキは殺菌消毒の目的で傷口や創面、手術野に塗布される。希ヨードチンキ、複方ヨードグリセリン(ルゴール液)も同様で、水洗できるヨード化合物としてポピドンヨード(「イソジン」)がよく用いられるようになった。石炭酸系ではフェノール、クレゾールせっけん液があり、ヘキサクロロフェン、ビチオノールもフェノールの誘導体である。酸化剤にはオキシドール、過マンガン酸カリウムがある。重金属である水銀化合物は昇汞(しょうこう)(塩化第二水銀)をはじめ使用されなくなり、チメロサールとマーキュロクロムがわずかに使用されている。そのほか硝酸銀、プロテイン銀も使用量は少なくなった。繁用されているのは塩化ベンザルコニウムを主とする逆性せっけんとクロルヘキシジン(「ヒビテン」)で、色素類の塩化メチルロザニリン、アクリノールもわずかに使用されている。手指の消毒、手術野の消毒には逆性せっけん、ポピドンヨード、クロルヘキシジンがよく使われ、消毒用アルコールも注射時などに繁用される。[幸保文治]

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世界大百科事典内の消毒薬の言及

【消毒】より

…外国では〈感染防止〉という意味どおりに英語でdisinfection,ドイツ語でDesinfektion,フランス語でdésinfectionなどという言葉が使われているが,日本では感染防止のみではなく,殺虫剤の散布や,毒ガスの中和などにも〈消毒〉という言葉が用いられている。感染防止に使用する薬剤を消毒薬と呼び,殺菌剤の一部が用いられる。消毒に関する法規的な面は,伝染病予防法や水道法,食品衛生法など環境衛生に関する諸法令の中で規定されている。…

※「消毒薬」について言及している用語解説の一部を掲載しています。

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