細谷安太郎(読み)ホソヤ ヤスタロウ

20世紀日本人名事典 「細谷安太郎」の解説

細谷 安太郎
ホソヤ ヤスタロウ

江戸時代末期〜大正期の官僚,実業家 海軍省造船上師;高田商会パリ支店長。



生年
嘉永4年3月26日(1851年)

没年
大正10(1921)年8月5日

出生地
江戸

経歴
幕臣細谷喜三郎の長男として生まれる。幕命により横浜仏蘭西語学所伝習生として語学を学ぶ。慶応3年(1867年)幕府の第一回遣仏留学生に選ばれるが、横浜で通訳が必要となったため田島応親らと共に派遣延期。明治維新の際、最後まで幕臣として奮戦し、五稜郭の戦いでは新政府軍と戦って負傷した。フランス語に優れていたため明治5年横須賀造船所に入って通訳となり、運輸事務主任として構内機材の管理なども担当。同年倉庫掛一等訳官に就任、報告書の記入もフランス人上司への報告も全て自身の達者なフランス語を用いて行ったという。次いで海軍省に転じ、同一等属や造船上師などを歴任。退官後は民間の高田商会に入社し、長きに渡ってパリ支店長を務めた。のち高田商会を辞し、一時期は個人で貿易に従事したが、肋膜炎に罹って茅ヶ崎に隠退した。

出典 日外アソシエーツ「20世紀日本人名事典」(2004年刊)20世紀日本人名事典について 情報

デジタル版 日本人名大辞典+Plus 「細谷安太郎」の解説

細谷安太郎 ほそや-やすたろう

1851-1921 幕末-明治時代武士,官吏
嘉永(かえい)4年3月26日生まれ。幕臣。横浜仏語伝習所でまなぶ。戊辰(ぼしん)戦争では五稜郭で新政府軍とたたかい負傷。明治5年横須賀造船所にはいり,通訳,運輸事務主任などをつとめる。退職後,高田商会パリ支店長となった。大正10年8月5日死去。71歳。江戸出身。

出典 講談社デジタル版 日本人名大辞典+Plusについて 情報 | 凡例

今日のキーワード

カイロス

宇宙事業会社スペースワンが開発した小型ロケット。固体燃料の3段式で、宇宙航空研究開発機構(JAXA)が開発を進めるイプシロンSよりもさらに小さい。スペースワンは契約から打ち上げまでの期間で世界最短を...

カイロスの用語解説を読む

コトバンク for iPhone

コトバンク for Android