紹太寺(読み)じようたいじ

日本歴史地名大系 「紹太寺」の解説

紹太寺
じようたいじ

[現在地名]小田原市入生田 宮沢

入生田いりうだ集落の東、旧東海道沿いにある。黄檗宗、長興山と号し、本尊阿弥陀如来。小田原藩主稲葉正則が、寛永一二年(一六三五)両親追福のため小田原宿山角やまかく町に創建し、寛文九年(一六六九)同地が不便のため現在地に移建したという(風土記稿)。もと京都万福まんぷく寺末。

正則は、延宝五年(一六七七)山内竹木伐木禁止の制札を下し、灯明田の手配を申渡し、また寺領として飯泉いいずみ村の飯泉新田の一〇〇石を寄進している(永代日記)。「風土記稿」によれば寺域広大で、総門を入って左右に子院の清雲せいうん院・梧院・甘露かんろ院・幻寄げんき庵・正定院が並び、石段三六〇を経て伽藍に至るという。奥に稲葉正則をはじめ父正勝と母、祖母春日局や正勝の家臣塚田木工助らの供養塔が建っている。

出典 平凡社「日本歴史地名大系」日本歴史地名大系について 情報

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