改訂新版 世界大百科事典 「終身定期金契約」の意味・わかりやすい解説
終身定期金契約 (しゅうしんていききんけいやく)
当事者の一方が自己,相手方または第三者の死亡に至るまで,定期に金銭その他の物を相手方または第三者に給付することを約することによってその効力を生ずる契約をいう(民法689条)。他人を扶養するためや財産の譲渡の対価を支払う方法として行われる契約であり,身体への被害を生じた場合の損害賠償の支払方法としても用いうるが,日本では今までのところあまり行われていない。終身定期金は,日割で計算する(690条)。定期金債務者が定期金の給付を怠った場合またはその他の義務を履行しないときは,相手方は定期金の元本の返還を請求することができる(691条)。死亡が定期金債務者の責めに帰すべき事由によって生じたときには,裁判所は,相当の期間,定期金債権の存続を宣告することができる。
執筆者:川井 健
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