精選版 日本国語大辞典「絶入」の解説
たえ‐い・る【絶入】
〘自ラ四〙
① 息が絶えて死ぬ。
※竹取(9C末‐10C初)「書きはつる、たえ入給ぬ。是を聞てかくや姫少あはれとおぼしけり」
※今昔(1120頃か)四「僧沢、心に随て形の色鮮にして起居て仏を念じ奉り、法性(ほっしゃう)を観じて絶入ぬ。即ち覩率天(とそつてん)の内院に生れぬ」
② 生気を失って、気絶する。また、ひどく困惑したり、茫然としたりする状態をいう。
※源氏(1001‐14頃)若菜下「この暁よりたえいり給へりつるを〈略〉やうやう生きいで給ふやうに聞きなし侍て」
※浄瑠璃・博多小女郎波枕(1718)中「今は親よ舅よと頼る名残も切れたるかと、又たへ入て泣けるが」
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