日本大百科全書(ニッポニカ) 「網代温泉」の意味・わかりやすい解説
網代温泉
あじろおんせん
静岡県熱海市(あたみし)南部、網代地区(旧、田方(たがた)郡網代町)にある温泉。南熱海温泉ともよぶ。江川崎から赤根崎にかけての湾入は多賀火山の噴火口ともいわれるが、その海岸沿いに温泉街が発達している。網代湾に臨む網代は近海漁業の漁港であったが、1937年(昭和12)温泉を開発して観光機能を加え、1935年の熱海―網代間の鉄道開通(1938年JR伊東線全通)により発展し、1957年(昭和32)熱海市に編入された。ミカン狩り、海釣りなどの適地で、観光施設も増加している。泉質は塩化物泉。多賀地区を加えて南熱海の泉源数は24、平均湧出(ゆうしゅつ)量は毎分1756リットルである。
[北川光雄]