総管(読み)ソウカン

精選版 日本国語大辞典 「総管」の意味・読み・例文・類語

そう‐かん‥クヮン【総管・惣管】

  1. 〘 名詞 〙
  2. 全体を管理統轄すること。また、その職や人。
    1. [初出の実例]「禎が四世の祖、其時、神祖廟を経営せる総管たる故なり」(出典:随筆・文会雑記(1782)附録)
    2. [その他の文献]〔新唐書‐百官志注〕
  3. 奈良時代の初め、天平三年(七三一)に畿内の治安維持と行政監察を任務として置かれた臨時の官職。職員は大惣管一、副惣管一、判吏二、主事四で、出動にあたっては騎兵三〇を従え、京および畿内の兵馬を徴発することができた。改廃は明らかでない。
    1. [初出の実例]「始置畿内惣管・諸道鎮撫使、以一品新田部親王、為大惣管、従三位藤原朝臣宇合為副惣管」(出典続日本紀‐天平三年(731)一一月丁卯)

出典 精選版 日本国語大辞典精選版 日本国語大辞典について 情報 | 凡例

世界大百科事典(旧版)内の総管の言及

【都督】より

…中央ではこれら地方兵権と中央軍とを一手に統べる都督中外諸軍事が置かれて国政を専断することがあった。隋・唐の中央集権制強化の過程で都督(ときに総管ともいう)の兵権は弱められたが,唐代重要な州に,都督府の名義を与えて周辺諸州を監督させたことに,その痕跡が見られる。六朝時代,都督諸州(国)軍事は高句麗,倭など周辺諸民族の首長にも冊授され,唐の都督府―州―県の制度も,周辺民族への羈縻(きび)政策に適用された。…

※「総管」について言及している用語解説の一部を掲載しています。

出典|株式会社平凡社「世界大百科事典(旧版)」

中国のゴビ砂漠などの砂がジェット気流に乗って日本へ飛来したとみられる黄色の砂。西日本に多く,九州西岸では年間 10日ぐらい,東岸では2日ぐらい降る。大陸砂漠の砂嵐の盛んな春に多いが,まれに冬にも起る。...

黄砂の用語解説を読む