線状皮膚萎縮症(読み)せんじょうひふいしゅくしょう(英語表記)Striae Atrophicae

家庭医学館 「線状皮膚萎縮症」の解説

せんじょうひふいしゅくしょう【線状皮膚萎縮症 Striae Atrophicae】

[どんな病気か]
 皮膚が引っ張られて、線状に伸びたように見える状態になります。思春期や妊娠期に腰臀部(ようでんぶ)によくみられ、男性より女性に多くおこります。副腎皮質(ふくじんひしつ)ホルモンのはたらきで、真皮(しんぴ)を結合している組織(弾性線維など)が断裂しておこります。肥満(体重増加)も1つの原因です。健康な人や妊婦大部分ですが、副腎皮質ホルモンを内服したり、多量に外用した人にもおこります。副腎皮質ホルモンの病気であるクッシング病のときにもみられます。
[検査と診断]
 クッシング病が疑われるときはその検査を行ないますが、見ただけで診断がつきます。
[治療]
 いったんできてしまったら治療法はありません。できやすい体質の人とそうでない体質の人がいます。最初は赤(紫)色ですが、年月とともに白色(正常色)化してあまり目立たなくなります。生活上、とくに注意することもありません。心配な場合は皮膚科医に相談しましょう。

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ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典 「線状皮膚萎縮症」の意味・わかりやすい解説

線状皮膚萎縮症
せんじょうひふいしゅくしょう
striae atrophicae

幅数ミリ,長さ1~10cmの線状の皮膚萎縮で,通常平行的に多発し,皮膚の伸展方向と直角に走る。当初は淡紅色,のちに黄白色を呈し,わずかに陥没する皮膚が長期にわたって引張られる結果,皮膚の進展方向と直角に,真皮に線維断裂が生じたもので,出産後婦人腹部や乳房部,思春期男女の殿部,上腿上方,膝窩部,乳房部などに好発する。クッシング症候群患者,副腎皮質ホルモン長期内服者,急激な肥満者などに起きやすい。女子に多発する。産後の腹部に生じるものは妊娠線と呼ばれる。

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