美々8遺跡(読み)びびはちいせき

日本歴史地名大系 「美々8遺跡」の解説

美々8遺跡
びびはちいせき

[現在地名]千歳市美々

千歳市と苫小牧市の境界を東流する美沢みさわ川左岸の標高二・五メートル―二〇メートル前後に位置する。昭和五六年(一九八一)・同五七年・同六〇年・同六二年・平成元年(一九八九)―同五年に調査を実施。旧石器時代―アイヌ文化期に至る複合遺跡。なかでも擦文時代―アイヌ文化期の交通・集落漁労・送り場などに関する遺構遺物出土が特徴的である。土層は白頭山―苫小牧火山灰(一〇世紀中頃)、有珠b火山灰(一六六三年)、樽前b降下軽石(一六六七年)、樽前a降下軽石(一七三九年)、樽前c降下軽石・岩片(約二三〇〇年前)などの時期推定に有用な火山灰によって分層されている。表土層からは明治初期の室蘭街道(札幌本道)と、一八四六年(弘化三年)にユウフツ越(千歳越)をした松浦武四郎が「蝦夷日誌」(二編)中に記した小休所跡(三間×四間)や舟着場に向かう道跡が発見されている。

出典 平凡社「日本歴史地名大系」日本歴史地名大系について 情報

百科事典マイペディア 「美々8遺跡」の意味・わかりやすい解説

美々8遺跡【びびはちいせき】

北海道千歳市,新千歳空港建設予定地内から1991年に発掘された近世アイヌ期の遺跡。美沢川沿いの低湿地遺跡で,当地は17世紀,東蝦夷地西蝦夷地をむすぶ〈ユウフツ越〉の道筋にあたる。松浦武四郎の記録と一致する舟着場の遺構や建物跡とともに,舟の櫂,木幣,捧酒箸,花矢,漆塗椀など優れた木製品や金属製品が出土している。

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