美甘村
みかもむら
[現在地名]美甘村美甘
東流する新庄川の北側の山寄りを通る出雲往来沿いに美甘・麓・当政・平島・野尾・羽仁の集落が帯状に続いて街村をなしている。西は新庄村(現新庄村)。古代真島郡美甘郷(和名抄)、中世美甘庄の遺称地。同庄は新庄川上流の現美甘村・新庄村一帯に比定され、「経俊卿記」正嘉元年(一二五七)五月一九日条によれば、建部庄との間で境相論が起こっている。文正元年(一四六六)頃には三浦三郎(兵庫)が知行、同年に矢部定時よりの借銭一四〇貫文の担保として「作州三鴨」四分三を入れている(「政所賦銘引付」文明一五年八月二五日条)。「大館常興日記」天文一〇年(一五四一)一二月三日条によると、三淵孫三郎(掃部の兄)は本庄氏が知行の同庄領家職を当知行の筋目をもって所望、同時に内容は不明であるが地頭・打越分についての幕府の決定が下されている。
美甘村
みかもそん
面積:六六・四八平方キロ
郡の西部に位置し、東は勝山町と湯原町、西は新庄村と阿哲郡大佐町、南は勝山町、北は湯原町と境を接する。西境から南東へ旭川支流の新庄川が流れ、北部を同じく旭川支流の鉄山川が南東へ流れる。同川右岸に黒田川が村境で合流する。新庄川沿いに陰陽連絡道として国道一八一号(旧出雲往来)が通る。四周は標高八〇〇―一〇〇〇メートルの山地であるが、浸食されて高位平坦面をもつ。
出典 平凡社「日本歴史地名大系」日本歴史地名大系について 情報
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