肝河村(読み)きもかわむら

日本歴史地名大系 「肝河村」の解説

肝河村
きもかわむら

中世の多田ただ庄を構成する郷村多田院(現川西市)の応安元年(一三六八)四月八日の金堂供養棟別銭注文(多田神社文書)に「肝河村」とみえ、村内の五四家が多田院に棟別銭を納めている。永和元年(一三七五)には当村の六〇家が多田院の法花堂・常行堂地蔵堂造営のための棟別銭を納めている(七月二五日諸堂造営棟別銭郷村注文)。文明一八年(一四八六)の多田庄段銭結解状では「四町半十歩内五段 不歟」に対し二貫五五〇文の段銭を多田院に納めている。永正三年(一五〇六)には同反別に二貫五九四文の段銭を納めている(多田庄段銭結解状、以上、同文書)。村内には所領または得分をもつ者が複数おり、文安二年(一四四五)に「多田庄内奥肝川」の田地を源法が、享徳二年(一四五三)に北谷大夫二郎助、応仁二年(一四六八)にウスハ左近がそれぞれ村内の山を売渡しているが(応仁二年六月一〇日「ウスハ左近売券」道上文書など)、一六世紀に入っても同様で、享禄五年(一五三二)下之大夫二郎、天文五年(一五三六)坊之とら、同一〇年前西左近がそれぞれ山を売渡している(享禄五年二月三日「下之大夫二郎売券案」前田文書など)

出典 平凡社「日本歴史地名大系」日本歴史地名大系について 情報

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