常行堂(読み)ジョウギョウドウ

デジタル大辞泉 「常行堂」の意味・読み・例文・類語

じょうぎょう‐どう〔ジヤウギヤウダウ〕【常行堂】

常行三昧ざんまいを修する堂。阿弥陀堂常行三昧堂

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精選版 日本国語大辞典 「常行堂」の意味・読み・例文・類語

じょうぎょう‐どうジャウギャウダウ【常行堂】

  1. 〘 名詞 〙 常行三昧を修する堂。法華三昧を修する法華堂とともに重視される。常行三昧堂とも。
    1. [初出の実例]「向給常行堂、被念仏」(出典小右記‐永延二年(988)一〇月二九日)

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日本歴史地名大系 「常行堂」の解説

常行堂
じようぎようどう

[現在地名]日光市山内

西参道の奥、大黒だいこく山東麓にある輪王寺堂塔の一。慈覚大師(円仁)が創建したと伝えられる常行三昧不断念仏の道場。当初の堂地は恒例こうれい山南麓、現在の東照宮三神庫付近という。法華三昧を修する法華堂と併せ、二つ堂ともよばれている。貞治二年(一三六三)閏正月七日の常行堂堂僧等目安案(輪王寺文書)には、「爰久安元年始而自被移置本山於東谷常行堂以来、星霜二百余歳」とあり、保元三年(一一五八)一〇月二日の常行堂検校法師聖宣諸文集写(同文書)には「爰聖宣或励筋力、或勧住僧、摸本寺常行堂、新以当山建立」とある。

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改訂新版 世界大百科事典 「常行堂」の意味・わかりやすい解説

常行堂 (じょうぎょうどう)

阿弥陀仏本尊とし《般舟三昧経(はんじゆざんまいきよう)》にもとづいて常行三昧(じようぎようざんまい)を勤修する堂舎。常行三昧堂,般舟三昧院,阿弥陀三昧堂ともいう。最澄は延暦寺に四種三昧院建立を企図したが実現せず,3代天台座主円仁が唐の五台山に念仏三昧の法を学び,帰朝後,叡山東塔虚空蔵尾に初めて常行三昧堂を建て,不断念仏を修し,しだいに各地にひろがった。檜皮葺き(ひわだぶき)方5間の建物で金色の阿弥陀座像および四摂菩薩像各1体を安置四方の壁に九品浄土を図絵した。現存する奥州平泉の中尊寺金色堂,大分県の富貴寺大堂,京都三千院本堂などは平安朝の建物として有名。叡山西塔に現存のものは法華堂と廊でつながれ,担い堂(にないどう)と呼ばれ,1595年(文禄4)の建築。
阿弥陀堂
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世界大百科事典(旧版)内の常行堂の言及

【摩多羅神】より

…中世に天台宗寺院の常行三昧堂(常行堂)にまつられた護法神。《渓嵐拾葉集》は,慈覚大師(円仁)の帰朝の船中で影向(ようごう)して念仏守護を誓ったという伝承(大師の引声(いんぜい)念仏請来説話と,新羅明神や赤山明神の影向譚のような外国渡来の神の縁起に基づく)を載せる。…

※「常行堂」について言及している用語解説の一部を掲載しています。

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