肯綮に当たる(読み)こうけいにあたる

精選版 日本国語大辞典 「肯綮に当たる」の意味・読み・例文・類語

こうけい【肯綮】 に 当(あ)たる

  1. 物事急所をつく。要点にぴたりとあたる。
    1. [初出の実例]「故其書含糊衡決、不二公之肯綮」(出典童子問(1707)下)
    2. 「実に肯綮に中った凱切な御考へで」(出典:坊っちゃん(1906)〈夏目漱石〉六)
    3. [その他の文献]〔元史‐王都中伝〕

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故事成語を知る辞典 「肯綮に当たる」の解説

肯綮に当たる

ものごとの最も重要な点をとらえることのたとえ。

[使用例] 澄江は、夫の質問があまりにも肯綮にあたっていたので、びっくりした[立原正秋*冬の旅|1969]

[由来] 「荘子ようせいしゅ」に出て来るエピソードから。紀元前四世紀、中国戦国時代、ある料理の名人が、王の前で牛を解体して見せたときのこと。その手際のよさをほめられた彼は、「精神を研ぎ澄ませて牛の体にある隙間に沿って刃を走らせれば、『肯綮(筋肉と骨のつなぎ目)』に刃が当たることなどありません」と答えました。ここから転じて、最も重要な点のことを「肯綮」というようになりました。

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