背炙山(読み)せあぶりやま

日本歴史地名大系 「背炙山」の解説

背炙山
せあぶりやま

会津若松市山地区と同みなと地区を分ける山地で、標高八〇〇メートル前後の幾つかの峰がある。背炙峠・背あぶり高原などともよばれる。猪苗代盆地側の人々が朝日を背中に浴びてこの山を越えて若松に向かい、帰りは夕日を背に浴びて越えたための名と伝える。また道筋が険しく、半日をかけて頂上に至るので、背中炙りの道といわれたとも伝える。かつて羽黒修験の回峰修行のため開かれた道筋といわれ、若松から白河に至る初期の白河街道で、近世初頭までは重要な街道であった。

出典 平凡社「日本歴史地名大系」日本歴史地名大系について 情報

日本大百科全書(ニッポニカ) 「背炙山」の意味・わかりやすい解説

背炙山
せあぶりやま

福島県中央部、会津若松市の中心市街地東方にある山。石英安山岩質溶結凝灰岩からなり、山頂付近は800~850メートルの緩斜面が広く、近年は背あぶり高原とも称す。近世初期には白河街道(若松―白河)がこの高原を越え、1590年(天正18)豊臣(とよとみ)秀吉の会津入りにも利用された。高原北西部に関白平(かんぱくだいら)の地名が残り、秀吉が休憩した茶屋があったという。

[安田初雄]

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