脇役も主役 抗ガン剤の副作用対策の薬(読み)ワキヤクモシュヤクコウガンザイノフクサヨウタイサクノクスリ

病院でもらった薬がわかる 薬の手引き 電子改訂版の解説

 ガン(悪性腫瘍あくせいしゅよう肉腫にくしゅ)の治療において、いろいろな抗ガン剤が治癒ちゆや症状の緩和、延命などの面ですぐれた効果を発揮しています。しかし現在でも、抗ガン剤による治癒は限られており、ガンの化学療法はあらゆる治療法の中で、もっとも困難な分野なのです。それは、抗ガン剤がガン細胞を破壊するのと同時に、正常な細胞も傷つけて副作用をおこすことが、治療上の難点となっているからです。したがって、抗ガン剤の使用にあたっては、副作用にいかに対処していくかがかぎとなります。


 この副作用に対して、すぐれた薬が開発されています。たとえば、白血病に用いられるメトトレキサート製剤に、葉酸ようさんの誘導体であるロイコボリンという薬を併用すると、通常の10倍以上の量のメトトレキサートを、副作用を低く抑えて使用でき、白血病の治療に効果をあげています。血液障害をおこす各種抗ガン剤と、コロニー刺激因子剤(注射剤)やエリスロポエチンの併用は、白血球や赤血球の減少を防ぐのに大きな効果をあげています。


 また、多くの抗ガン剤でおこる吐き気・嘔吐おうとなどの副作用を、オンダンセトロン製剤やグラニセトロン塩酸塩製剤が強力な武器となって、確実に抑えてくれます。


 このように、いろいろな抗ガン剤の副作用を防止する薬の出現によって、ガン治療は着実に前進してきました。映画やテレビドラマなどと同様、薬も脇役が主役に匹敵する大きな役割を果たしているのです。

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