脳胞(読み)ノウホウ

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精選版 日本国語大辞典 「脳胞」の意味・読み・例文・類語

のう‐ほうナウハウ【脳胞】

  1. 〘 名詞 〙 脊椎動物の神経管の発生に見られる前端部のいくつかのふくらみの部分。発生初期の脳は原脳胞といわれ、前脳胞・中脳胞・菱脳胞の三脳胞よりなる。前脳はさらに分化大脳半球間脳に分化し、菱脳胞は小脳・橋(きょう)延髄に分化する。

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ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典 「脳胞」の意味・わかりやすい解説

脳胞
のうほう
brain vesicle

脊椎動物の発生初期において,外胚葉性である神経管前端が数個のふくらみを生じたものをいう。最初に生じる1次脳胞には前脳胞,中脳胞,後脳胞が区別される。次いで前脳胞は端脳胞と間脳胞に,また後脳胞は狭義の後脳胞と髄脳胞に分れ,これら合計5個の脳胞が,大脳から延髄にいたるそれぞれの脳部位へと分化,発達していく。

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世界大百科事典(旧版)内の脳胞の言及

【神経系】より

… 脊椎動物の進化の初期において,特殊化した感覚系が脳の各主要部分と連絡する。すなわち嗅覚系は前脳(前脳胞)と,視覚系は中脳(中脳胞)と,波動のような機械的感覚系は後脳(後脳胞)と関連する。さらにこれらの3部分つまり脳胞brain vesicleでは,細胞集団が背外側に発達し,大脳,視蓋および小脳が形成される。…

【脳】より

…脊髄管がその後も原形を比較的よく保ちながら脊髄に分化,発育するのに対して,脳管は胎児の成長につれて複雑に変形する。まず脳管は前脳胞,中脳胞,菱脳(りようのう)胞の三つの膨らみ(脳胞brain vesicle)に区分されるが,さらに前脳胞は終脳胞と間脳胞に,菱脳胞は後脳胞と髄脳胞に区分される。このように脳管が五つの脳胞から成立する時期は,ヒトでは胎生5週である。…

※「脳胞」について言及している用語解説の一部を掲載しています。

出典|株式会社平凡社「世界大百科事典(旧版)」

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