精選版 日本国語大辞典 「間脳」の意味・読み・例文・類語
かん‐のう ‥ナウ【間脳】
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キノコの傘のように広がった終脳(左右大脳半球)を支えている柄(え)に相当するのが脳幹(延髄・橋(きょう)・中脳・間脳)である。間脳は脳幹の最先端部にあたり、左右大脳半球の間に挟まれた位置にある。間脳の上方は直接、左右大脳半球へ続き、下方は中脳へと続く。脊髄(せきずい)、脳幹を通じて間脳はその2%以下の容積であるが、大脳半球と密接な関係をもつ重要な部分である。
哺乳(ほにゅう)類の間脳は前後方向に薄い板状の第三脳室によって左右対称的に分けられている。間脳は多数の神経細胞集団(神経核)から構成されているが、解剖学上は視床、視床上部、視床下部、視床後部の4部分に区別する。視床は間脳では背側部を占め、第三脳室の両側壁を形成している灰白質の塊で、視床全体としては楕円(だえん)球状である。視床は、嗅覚(きゅうかく)系以外の感覚神経が大脳皮質の感覚中枢に到達する中継中枢であり、大脳皮質の活動水準を統御する調節系(賦活(ふかつ)系と抑制系)の系路の中継場所でもある。視床上部は視床の後上部で正中位にある松果体を中心とした部分で、松果体は後方に突き出ている。視床下部は視床灰白質の腹側に続く部分で、第三脳室の底および腹側壁をつくっている。底中央部は漏斗(ろうと)状をしており、その下端には下垂体が下垂体茎によって付着している。視床下部は内臓の働きや内分泌の働きを支配し、生命現象をつかさどる自律神経系の中枢として知られるが、感情や情動の活動と密接な関係があり、大脳皮質全域(新皮質と辺縁系皮質)の調節系の中枢ともなっている。
視床下部には、抗利尿ホルモンや、子宮筋収縮および乳腺(にゅうせん)分泌を促す筋上皮細胞収縮のホルモンなどを分泌する神経細胞が存在し、また、下垂体前葉ホルモンと関係した放出因子を産生すると考えられる。視床後部は、外側膝(しつ)状体(視覚中継中枢)と内側膝状体(聴覚中継中枢)で構成されている。
[嶋井和世]
『佐野豊著『神経科学――形態学的基礎 間脳1 視床下部』(2003・医学書院)』
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…脊髄管がその後も原形を比較的よく保ちながら脊髄に分化,発育するのに対して,脳管は胎児の成長につれて複雑に変形する。まず脳管は前脳胞,中脳胞,菱脳(りようのう)胞の三つの膨らみ(脳胞brain vesicle)に区分されるが,さらに前脳胞は終脳胞と間脳胞に,菱脳胞は後脳胞と髄脳胞に区分される。このように脳管が五つの脳胞から成立する時期は,ヒトでは胎生5週である。…
※「間脳」について言及している用語解説の一部を掲載しています。
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