膵管内に結石ができる疾患。慢性石灰化膵炎calcifying pancreatitisとも呼ばれるように,膵石は進行した慢性膵炎にきわめて特徴的にみられる。慢性膵炎の増加とともに,日本における膵石保有率も年々増加する傾向がみられる。その成因としては,大多数がアルコール性のものであるが,飲酒歴のない若い世代に発症する例もあり,この場合は遺伝的素因も考えられている。そのほかに低タンパク質,低カロリーといった栄養失調や,副甲状腺機能亢進症なども病因としてあげられている。膵石は腹部単純X線撮影で膵臓部に石灰化像が出ることから診断されるが,X線に写らない非陽性結石も膵石として取り扱われ,十二指腸ファイバースコープを用いた内視鏡的逆行性膵管造影法で確診がなされる。特有の症状は乏しいが,飲酒後や食後の腹痛ないしは背部痛といった慢性膵炎に準じた症状がみられることがある。体外衝撃波療法(ESWL)や内視鏡的に膵石を除去する方法がある。飲酒家では禁酒や食事療法が必要不可欠とされる。
→膵炎
執筆者:中沢 三郎+梶川 学
出典 株式会社平凡社「改訂新版 世界大百科事典」改訂新版 世界大百科事典について 情報
出典 ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典について 情報
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