自然史(読み)しぜんし

精選版 日本国語大辞典 「自然史」の意味・読み・例文・類語

しぜん‐し【自然史】

〘名〙
人類が登場する以前の自然発展や、人間以外の自然界の発展の経過及びその記述
② 自然の発展と人間社会の発展とを連続的に把握する弁証法的唯物論概念

出典 精選版 日本国語大辞典精選版 日本国語大辞典について 情報

デジタル大辞泉 「自然史」の意味・読み・例文・類語

しぜん‐し【自然史】

人類発生以前の自然界、または人間以外の自然界の発展の歴史。自然界を人間の存在に関係あるものとして、歴史的な意味を与える考え方による概念。
マルクス主義で、自然を弁証法的に発展するものとして歴史的にとらえる概念。社会の発展も人間の意志意識から独立した法則によって発展する自然史的過程として理解される。

出典 小学館デジタル大辞泉について 情報 | 凡例

世界大百科事典内の自然史の言及

【自然誌】より

…自然誌は〈自然について誌したもの〉という意味であるが,中国では誌を〈志〉とも書き,《漢書》以来〈天文志〉〈地理志〉〈食貨志〉などと呼ばれていた。〈自然史〉と訳されることもあるが,ここでのhistoryはstoryと同じ〈物語〉の意で,自然を歴史的に扱った自然史は18世紀までなかった。 このように人類が獲得してきた知識を集大成することは,農業をはじめとする産業や医療さらに行政に有用なので,世界のどこでも文明が一くぎりついたところで成立し,次の時代へと伝えられた。…

【博物学】より

…自然史,自然誌とも訳される。元来は,主として天然に存在する多様な動物,植物,鉱物(つまり自然物)の種類,性質,分布などの記載とその整理分類の学であった。…

※「自然史」について言及している用語解説の一部を掲載しています。

出典|株式会社平凡社世界大百科事典 第2版について | 情報

今日のキーワード

道頓堀川

大阪府中部,大阪市の中央部にある運河。東横堀川から中央区の南部を東西に流れて木津川にいたる。全長約 2.5km。慶長17(1612)年河内国久宝寺村の安井道頓が着工,道頓の死後は従弟の安井道卜(どうぼ...

道頓堀川の用語解説を読む

コトバンク for iPhone

コトバンク for Android