致斎(読み)チサイ

精選版 日本国語大辞典 「致斎」の意味・読み・例文・類語

ち‐さい【致斎】

  1. 〘 名詞 〙 ( 「ちざい」とも ) 令制での神事物忌のうち散斎の後に行なう最も厳重な斎戒祭祀だけを行ない、祭事にたずさわらない官人も、職務を止めて謹慎する。真忌(まいみ)
    1. [初出の実例]「凡大祀〈略〉致斎者。各加」(出典:律(718)職制)
    2. [その他の文献]〔色葉字類抄(1177‐81)〕

出典 精選版 日本国語大辞典精選版 日本国語大辞典について 情報 | 凡例

世界大百科事典(旧版)内の致斎の言及

【斎】より

…中国で祭りを行う関係者が,当日はもちろん,その前から飲食や行動を慎んで心身を清浄にする散斎,最終的には精神集中によって神と交感できる状態を保つ致斎のこと。禁忌が多いので斎戒ともいう。…

【物忌】より

…《日本書紀》に神武天皇がみずから斎忌(ものいみ)して諸神をまつったとあり,《常陸国風土記》に福慈(富士)の神が新穀の祭りに際して家中が諱忌していると語っている。古代法制では神祇令に,神事の前後の散斎(あらいみ)と当日の厳重な致斎(まいみ)とが定められ,散斎については弔問,病気見舞,肉食,刑罰,音楽,触穢(しよくえ)などが禁じられ,致斎には神事以外のいっさいを控えるとある。神事そのものが忌籠(いみごもり)であって,別火し沐浴(もくよく)していっさいの不浄を退け,徹夜して神に仕えるという物忌の形式をとる。…

※「致斎」について言及している用語解説の一部を掲載しています。

出典|株式会社平凡社「世界大百科事典(旧版)」

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