(読み)チ

デジタル大辞泉 「致」の意味・読み・例文・類語

ち【致】[漢字項目]

常用漢字] [音](呉)(漢) [訓]いたす
めざすところまで届ける。至らせる。「引致招致送致誘致拉致らち・らっち
最後まで行き着く。「致死致命傷
物事の行き着くところ。「一致合致極致
気持ちのおもむくところ。「雅致筆致風致
仕事や役目を返す。「致仕
[名のり]いたる・おき・とも・むね・ゆき・よし

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精選版 日本国語大辞典 「致」の意味・読み・例文・類語

ち【致】

  1. 〘 名詞 〙 物事の有様。おもむき。
    1. [初出の実例]「夫詩と俳諧といささか其致を異にす」(出典:俳諧・春泥句集(1777)序)
    2. [その他の文献]〔南史‐孫瑒伝〕

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普及版 字通 「致」の読み・字形・画数・意味


常用漢字 10画

[字音]
[字訓] いたす・おくる・きわめる・おもむき

[説文解字]

[字形] 会意
字の初形はに作り、至+人。〔説文五下に「り詣(いた)るなり」とし、会意とする。至は矢の到達点。そこに人が到る意。金文の〔鼎(こつてい)〕に「用(もつ)て(こ)の人を(いた)す」とあり、致送の意に用いる。ただ到るのではなく、そこに赴き行為する意を含む字であろう。〔左伝、文六年〕「之れを(境)に致す」とあるのが字の古義。転じて召致の意に用いる。致仕・致政も、職を辞し官を送り返す意。篆文字形・攴(ぼく)でなく、夊(すい)に従う形で、夊は歩して赴く意。占地のために矢を放って、その到達点に赴き、そこでことをはじめる意であろう。その境位に達することであるから、心の到り達するところを雅致・趣致のようにいう。

[訓義]
1. いたる、いたす、占地したところにおもむく。
2. おくる、おくりとどける、ものをおくる、ことをつたえる。
3. まねく、めす。
4. きわめる、おしきわめる、ゆきつく、つくす、極致。
5. おもむき、ようす、風情

[古辞書の訓]
名義抄〕致 イタス・ムネ・ユク・ヨシ・イタル

[声系]
〔説文〕に致声として・緻を収める。は刺す、緻は緻密の意。致の声義との関係は明らかでないが、周密に刺す意があるのであろう。

[語系]
致tiet、至tjietは声義近く、召致することを致という。tjiei、抵tyeiにも、致・至の訓がある。また臻tzhenも声義に通ずるところがあり、同系の語である。

[熟語]
致哀・致意・致雨・致役・致遠・致悪致函・致詰・致敬・致刑・致賢・致好・致行・致孝致控致効致告・致国致斉・致斎・致札・致仕・致志・致士・致死・致思・致師致贄・致事致謝・致書・致勝・致身・致政・致精致贈・致知・致治・致定・致・致度・致罰致膰・致富・致福・致平致聘・致法・致味・致密・致民・致命・致用・致養・致力・致礼致禄・致和
[下接語]
異致・一致・逸致・引致・運致・遠致・佳致・雅致・格致・合致・奇致・羈致・興致・曲致・局致・極致・屈致・景致・堅致・巧致・高致・坐致・思致・詞致・辞致・殊致・馴致・書致・召致・招致・情致・深致・生致・清致・精致・絶致・送致・大致・通致・美致・必致・筆致・布致・風致・文致・幽致・誘致・拉致・力致・立致

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