日本大百科全書(ニッポニカ) 「興凱湖」の意味・わかりやすい解説
興凱湖
こうがいこ / シンカイフー
中国の黒竜江(こくりゅうこう/ヘイロンチヤン)省東部とロシア連邦の沿海地方にまたがる国境の湖。ロシア名はハンカХанка/Hanka湖。もと中国領だが、1860年の北京(ペキン)条約で南部の約4分の3をロシアに割譲し、北部の約4分の1が中国に属する。ほぼ円形の構造湖で、北に小興凱湖があり、その水位があがるときには両湖はつながる。面積3800平方キロメートル、標高69メートル、最大深度10メートル、平均深度4.2メートル。11~4月は結氷する。湖水は東側の国境河川松阿察(スンガチ)河を経てウスリー川に注ぐ。淡水の中―富栄養湖で、白魚(パイユー)、フナ、コイ、ナマズなどを産する。沿岸には水田も多い。
[浅井辰郎]