興福寺五重塔(読み)こうふくじごじゅうのとう

共同通信ニュース用語解説 「興福寺五重塔」の解説

興福寺五重塔

奈良市の法相宗大本山興福寺境内にある塔。730年に寺の創建藤原不比等ふじわらのふひとの娘の光明こうみょう皇后が建てた。焼失再建を繰り返し、現在の塔は1426年の再建。奈良時代の特徴を伝えつつ、中世的で力強い存在感を放つ。寺は藤原氏氏寺として権勢を誇ったが、明治維新後に荒廃し「五重塔売りに出される」といううわさが立った。戦後徐々に復興し、1998年には「古都奈良の文化財」の一部として世界遺産に登録された。

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山川 日本史小辞典 改訂新版 「興福寺五重塔」の解説

興福寺 五重塔
こうふくじごじゅうのとう

730年(天平2)創建。たびたび焼失し,現在の塔は1411年(応永18)の焼失後,26年の再建。平面は創建当初の規模踏襲部材比例が大きく,雄大な建築で奈良時代の塔の雰囲気を伝える。高さ50.8m。国宝

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世界大百科事典(旧版)内の興福寺五重塔の言及

【和様建築】より

…一般に〈和様〉という場合,日本の建築や書道その他の芸術などでわが国固有のものとして古代以来伝えられてきた様式をいう。〈やまとのかたち〉と信じられているものだが,実際には飛鳥・奈良時代に中国の唐から伝えられ,これを学び,平安時代を通じてしだいに日本人の感覚と風土に合うように変容した文化様式を指している。そして〈和様〉という用語は鎌倉時代以降新たに中国から摂取した唐様(禅宗様)や天竺様(大仏様)に対比し,それ以前から日本で広く用いられ,中国とは異なる表現となっていた様式を区別するために使われた言葉である。…

※「興福寺五重塔」について言及している用語解説の一部を掲載しています。

出典|株式会社平凡社「世界大百科事典(旧版)」

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