船峅(読み)ふなくら

日本歴史地名大系 「船峅」の解説

船峅
ふなくら

神通川右岸の段丘上の台地一帯をさす。姉倉姫あねくらひめ神社と帝龍たいりゆう寺がある。越中神話の書といえる「肯泉達録」には姉倉姫についての説話がみられる。帝龍寺はその別当寺として奉仕してきた。高野山御影堂御物目録(高野山文書)に越中国船崎山(船峅山)聖範が正安三年(一三〇一)五月日に高野山に仏具を施入したとある。また立山上末うわずえ八幡宮出土の仏具磬には「船峅権現御霊前供養法具一前 正安二年庚子七月」の陰刻銘があった。康安二年(一三六二)八月には船峅山密厳院住侶石見房賢重が般若経を書写し(「般若経奥書」飛州志)、至徳四年(一三八七)一月には船峅寺住侶玉心が宮島みやじま(現小矢部市)の住人右馬次郎に代わって大般若経を書写している(「大般若経奥書」新潟県魚沼神社蔵)

出典 平凡社「日本歴史地名大系」日本歴史地名大系について 情報

今日のキーワード

苦肉の策

敵を欺くために、自分の身や味方を苦しめてまで行うはかりごと。また、苦しまぎれに考え出した手立て。苦肉の謀はかりごと。「苦肉の策を講じる」...

苦肉の策の用語解説を読む

コトバンク for iPhone

コトバンク for Android