船枻(読み)セガイ

デジタル大辞泉 「船枻」の意味・読み・例文・類語

せ‐がい【×枻】

和船両側げんに渡した板。櫓を漕いだり棹をさしたりするところ。
口の縁が1の形をした香炉や盆。

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精選版 日本国語大辞典 「船枻」の意味・読み・例文・類語

せ‐がい【船枻】

  1. 〘 名詞 〙
  2. 和船の船べり。近世の大型船では上棚と台とのあいだ、つまり台間(だいあい)をいう。また、ここで櫓を漕ぐところから、「ろかい」ともいう。
    1. 船枻<b>①</b>〈北野天神縁起〉
      船枻北野天神縁起
    2. [初出の実例]「源宰相など御かたがたのせがいにゐて、かたがたに物きこえなどし給ふを、源宰相うらやみて」(出典:宇津保物語(970‐999頃)菊の宴)
    3. 「みな紅の扇の日いだしたるを、舟のせがいにはさみたてて」(出典:平家物語(13C前)一一)
  3. ( 口を狭めた形が似ているところから ) 香炉や盆で、の形をした縁(へり)の部分。また、そのような縁を持つ香炉や盆。〔文明本節用集(室町中)〕

ふな‐だな【船枻・船棚】

  1. 〘 名詞 〙
  2. 刳船(くりぶね)の船べりにつけた舷側板。刳船を主用した中世まで、主として大型の海船が耐波性や積載量を増すために設けた。
    1. [初出の実例]「奈呉の海人(あま)の釣する舟は今こそば敷奈太那(フナダナ)打ちてあへて漕ぎ出め」(出典万葉集(8C後)一七・三九五六)
  3. 中世後期以降の船で、船底材の𦨞(かわら)を除くすべての外板。上枻・中枻・根枻などがある。〔和漢船用集(1766)〕

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