色好(読み)いろごのみ

精選版 日本国語大辞典 「色好」の意味・読み・例文・類語

いろ‐ごのみ【色好】

〘名〙 (「いろこのみ」とも)
① 好んで異性との交情にふけること。恋愛情事にまつわる情趣をよく解すること。また、その人。
※竹取(9C末‐10C初)「色好みといはるるかぎり五人」
② 実際的なことよりも風流、風雅方面関心理解があること。また、その人。
古今(905‐914)仮名序「あだなる歌、はかなき事のみいでくれば、いろごのみの家に、埋れ木の、人知れぬ事となりて」
③ (①から転じて) 遊女などを買うこと。また、その遊女。
※大観本謡曲・祇王(室町末)「われら賤しくも、遊女の道を踏みそめし、心はかなき色好みの、家桜花しぼみ」

いろ‐よ・い【色好】

〘形口〙 いろよ・し 〘形ク〙
① 色が美しい。よい色合である。
容姿が美しい。〔文明本節用集(室町中)〕
仮名草子・好色袖鑑(1682)上「おもひよらずも色よき人を見そめて」
③ こちらの望みにかなっている。都合のよい。好ましい。
歌舞伎彩入御伽草(1808)皿屋敷の場「『なんで色よいお請けのマア』『ならねぇ訳は』」
※対髑髏(1890)〈幸田露伴〉三「成るべくは色よきお返事を玉はりたし」

出典 精選版 日本国語大辞典精選版 日本国語大辞典について 情報

普及版 字通 「色好」の読み・字形・画数・意味

【色好】しよくこう

美色

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