野菜や草花の苗を売り歩く人。江戸で近在の農家の者が晩春から初夏にかけて、胡瓜(きゅうり)、茄子(なす)、芋、玉蜀黍(とうもろこし)や朝顔、桜草の土付きの苗を畚(もっこ)に五つくらい重ねて、または鉢などに植え、天秤(てんびん)棒で担い町中を売り歩いた。上方(かみがた)では夜市で売られた。この苗売りは19世紀に始まったものとみられる。庶民の実用と観賞という生活の要請から生まれたものであろう。19世紀の末に東京で見受けられた苗売りは、手拭(てぬぐい)かぶり、しりはしょりに角帯を締め、盲縞(めくらじま)の上着に紺パッチという姿であったという。近世とは服装は多少変わったであろうが、売り声は同じである。この職業は20世紀に入ると少なくなり、第二次世界大戦後はほとんどみられない。
[遠藤元男]
『仲田定之助著『明治商賣往来』(1968・青蛙房)』
日没後、西の空に明るく輝く金星。⇔明けの明星。[類語]明星・暁星・明けの明星・一番星・太陽系・水星・金星・地球・火星・木星・土星・天王星・海王星...