桜草(読み)サクラソウ

デジタル大辞泉 「桜草」の意味・読み・例文・類語

さくら‐そう〔‐サウ〕【桜草】

サクラソウ科多年草低湿地自生。葉は根際につき、楕円形で、縁が浅く裂けている。初春花茎を出し、桜の花に似た紅紫色の5弁の花を数個開く。観賞用に栽培され、多くの品種がある。
サクラソウ科サクラソウ属の植物総称野生のものには紫色の花が多いが、園芸品種には白・黄・紅などいろいろある。 春》葡萄ぶどう酒の色にさきけり―/荷風」→プリムラ

出典 小学館デジタル大辞泉について 情報 | 凡例

精選版 日本国語大辞典 「桜草」の意味・読み・例文・類語

さくら‐そう‥サウ【桜草】

  1. 〘 名詞 〙
  2. サクラソウ科の多年草。各地の山野の低湿地に生える。高さ約二〇センチメートル。全体に軟毛を密布。根茎は紅色を帯び地中をはってひげ根を下ろす。葉は長柄をもち根もとからむらがって生える。葉身は長さ約一〇センチメートルの卵状長楕円形で縁は浅く切れ込み、裂片にはさらに鋸歯(きょし)がある。春、葉間から高さ二〇センチメートル内外の花茎を立て、頂に淡紅色の花を数個つける。花冠の基部は細長い筒状で、先は五裂して平開し、径二~三センチメートルとなり、各裂片は浅く二裂する。園芸品種が多く、花が白、紅紫、絞りなどのものがある。広義にはサクラソウ属の植物のクリンザクラケショウザクラ、プリムラなどもさす。にほんさくらそう。《 季語・春 》 〔俳諧・毛吹草(1638)〕
  3. 富本節の家の定紋。転じて、富本節の異称。
    1. [初出の実例]「酒池肉林の花となるさくら草」(出典:雑俳・柳多留‐九四(1827))

出典 精選版 日本国語大辞典精選版 日本国語大辞典について 情報 | 凡例

百科事典マイペディア 「桜草」の意味・わかりやすい解説

サクラソウ(桜草)【サクラソウ】

サクラソウ科の多年草で,北海道南部,本州,九州の川岸や高原地方の草地にはえ,朝鮮,中国東北,東シベリアに分布。全草に白い軟毛があり,やわらかい。葉は卵形で長さ4〜10cm,長い柄がある。4〜5月,15〜40cmの花茎の上端に径2〜3cmの淡紅色,まれに白色の花を数個〜十数個散形状につける。花冠は5裂し,裂片の先はくぼみ,基部に花筒がある。江戸時代から観賞用に栽培され,花色,花型の変化に富んだ多くの園芸品種がある。そのほか近縁のイワザクラオオサクラソウクリンソウ,コイワザクラ,ユキワリソウハクサンコザクラなど約15種が日本に野生し,山草として珍重されている。サクラソウ属(プリムラ)は世界に約600種あり,ヒマラヤから中国西部が分布の中心。外国産の多くの種類が花壇や鉢植として広く使われている。

出典 株式会社平凡社百科事典マイペディアについて 情報

動植物名よみかた辞典 普及版 「桜草」の解説

桜草 (サクラソウ・サクラグサ)

学名:Primula sieboldii
植物。サクラソウ科の多年草,園芸植物,薬用植物

出典 日外アソシエーツ「動植物名よみかた辞典 普及版」動植物名よみかた辞典 普及版について 情報

今日のキーワード

ドクターイエロー

《〈和〉doctor+yellow》新幹線の区間を走行しながら線路状態などを点検する車両。監視カメラやレーザー式センサーを備え、時速250キロ以上で走行することができる。名称は、車体が黄色(イエロー)...

ドクターイエローの用語解説を読む

コトバンク for iPhone

コトバンク for Android