① サクラソウ科の多年草。各地の山野の低湿地に生える。高さ約二〇センチメートル。全体に軟毛を密布。根茎は紅色を帯び地中をはってひげ根を下ろす。葉は長柄をもち根もとからむらがって生える。葉身は長さ約一〇センチメートルの卵状長楕円形で縁は浅く切れ込み、裂片にはさらに鋸歯(きょし)がある。春、葉間から高さ二〇センチメートル内外の花茎を立て、頂に淡紅色の花を数個つける。花冠の基部は細長い筒状で、先は五裂して平開し、径二~三センチメートルとなり、各裂片は浅く二裂する。園芸品種が多く、花が白、紅紫、絞りなどのものがある。広義にはサクラソウ属の植物のクリンザクラ、ケショウザクラ、プリムラなどもさす。にほんさくらそう。《 季語・春 》 〔俳諧・毛吹草(1638)〕