20世紀日本人名事典 「若林玵蔵」の解説
若林 玵蔵
ワカバヤシ カンゾウ
出典 日外アソシエーツ「20世紀日本人名事典」(2004年刊)20世紀日本人名事典について 情報
出典 日外アソシエーツ「20世紀日本人名事典」(2004年刊)20世紀日本人名事典について 情報
…お露の幽霊が〈カランコロン〉と下駄の音をさせてくるというので,一世を風靡した。《塩原多助》とともに円朝の二大傑作と言われ,1884年若林玵蔵の手で,講談,落語の最初の速記本として出版された。(2)歌舞伎狂言。…
…そのなかで盛岡の人,田鎖綱紀(たくさりこうき)(1854‐1938)は,ピットマン系のグレアムGraham式速記を翻案し,1882年(明治15)10月28日(この日が速記記念日となった),東京に日本傍聴筆記法講習会を開いた。その修了生に若林玵蔵(かんぞう)(1857‐1938),林茂淳(1862‐1942)らがおり,若林が《郵便報知》の《自由新聞》に対する談判を速記した(1883年7月9日)のが実用化の最初である。そののち速記の利用分野は口述(矢野竜渓《経国美談》),講演(外山正一《漢字廃すべき論》),地方議会(埼玉県会)などに及んだが,とくに三遊亭円朝述《怪談牡丹灯籠(ぼたんどうろう)》(1884)に始まる講談速記(速記本)は広く世人に親しまれ,また言文一致の推進力ともなった。…
…1884年刊,三遊亭円朝口演《怪談牡丹灯籠》を嚆矢(こうし)とする。これは,田鎖(たくさり)綱紀の速記講習会を卒業した若林玵蔵(かんぞう)と酒井昇造との速記の効用宣伝を目的にした仕事だったが,この成功によって,《塩原多助一代記》《英国孝子之伝》など円朝の速記本をはじめ,落語,講談の速記本が相ついで刊行され,89年には東京金蘭社から落語・講談速記専門誌《百花園》も創刊され,速記本は,伝統的な話芸にとって欠かせない存在となった。【興津 要】。…
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出典|株式会社平凡社「世界大百科事典(旧版)」
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