苦寒(読み)くかん

精選版 日本国語大辞典 「苦寒」の意味・読み・例文・類語

く‐かん【苦寒】

〘名〙
① きびしい寒さ。酷寒。また、寒さに苦しむこと。
文華秀麗集(818)下・奉和代神泉古松傷衰歌〈仲雄王〉「孤松盤屈薜蘿枝。貞節苦寒霜雪知」 〔陸機‐苦寒行〕
② 貧しさに悩むこと。貧苦
花柳春話(1878‐79)〈織田純一郎訳〉四「飢渇苦寒(クカン)常に妾が身に迫まる」
③ (最も寒い時節の意から) 陰暦一二月の異称。〔俳諧・新季寄(1802)〕〔李華‐弔古戦場文〕

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デジタル大辞泉 「苦寒」の意味・読み・例文・類語

く‐かん【苦寒】

非常に厳しい寒さ。また、厳しい寒さに苦しむこと。
ひどい貧乏のために苦しむこと。貧苦。
「飢渇―常に妾が身に迫る」〈織田訳・花柳春話
陰暦12月の異称。

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普及版 字通 「苦寒」の読み・字形・画数・意味

【苦寒】くかん

厳寒。宋・軾〔辛丑十一月十九日~馬上に詩一を賦して之れ(子由、轍)に寄す〕詩 、爾(なんぢ)の衣裘きを念ふ 獨り馬に騎(の)りて、殘を踏むならん

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