日本歴史地名大系 「苫東郡」の解説
苫東郡
とまひがしぐん
- 岡山県:美作国
- 苫東郡
「和名抄」東急本(国郡部)に「苫田」として「有東西」とみえる。同書郷里部は諸本とも「苫東郡」と記す。訓はないが「トマタノヒムカシ」が本来の訓であろう。貞観五年(八六三)
〔古代〕
「三代実録」貞観五年五月二六日条に「分美作国苫田郡、為苫東、苫西郡」とあり、このとき成立した。同九年八月一四日当郡に大領一員が増員された(同書)。職員令の規定によれば当郡は大領一人であるが、二人に増員されたことになる。二年後の同一一年七月二七日、当郡に郡司職田一〇町が加増されたが、先の大領増員に伴う措置であろう。「和名抄」東急本(国郡部)に「国府在苫東郡行程上七日下四日」とあり、美作国府が当郡に置かれ、京への行程が往路七日・復路四日であることが知られる。国府跡については宮川右岸段丘上の津山市
出典 平凡社「日本歴史地名大系」日本歴史地名大系について 情報