茅沼炭鉱(読み)かやぬまたんこう

日本歴史地名大系 「茅沼炭鉱」の解説

茅沼炭鉱
かやぬまたんこう

茅沼地区にある炭鉱。茅沼煤鉱・茅沼炭田などとみえる。一八五六年(安政三年)茅沼で石炭露頭が発見され、五七年に箱館奉行村垣淡路守が赴いて検分にあたっている(村垣淡路守公務日記)。六〇年(万延元年)箱館奉行により「茅の澗」に栗原善八が派遣され(茅沼炭鉱史)、石炭の試掘を行ったが、坑道が崩れて中止している(「九寿里岩内石炭山書類」木村家文書、「新撰北海道史」)。六三年(文久三年)採炭を開始するが、六五年(慶応元年)に中止。六六年幕府が再開を決定、六七年二月イワナイ炭山を開くため英国人ガワーの雇用を幕府が公使パークスに報じ、公使側も承諾(維新史料綱要)、これにより本格的な採炭が始まった。「春日紀行」「事業略記」によれば、慶応年間幕府鉱山師の米人ブレーキが岩内いわない郡茅沼煤田を調査し、英人ガールおよびスコットが輸送車路を建築して開採したという。

出典 平凡社「日本歴史地名大系」日本歴史地名大系について 情報

世界大百科事典(旧版)内の茅沼炭鉱の言及

【泊[村]】より

…17世紀の後半から和人が来住し,ニシン漁場としてにぎわった。1856年(安政3)に開坑された道内最古の茅沼(かやぬま)炭鉱は,最盛期には従業員も1400人を数えたが,1964年に閉山した。スケトウダラ,イカ,マスなどを漁獲するが,近年は不振である。…

※「茅沼炭鉱」について言及している用語解説の一部を掲載しています。

出典|株式会社平凡社「世界大百科事典(旧版)」

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