出典 株式会社平凡社「改訂新版 世界大百科事典」改訂新版 世界大百科事典について 情報
大隈言道(おおくまことみち)の歌集。3巻3冊。1863年(文久3)刊。筑前(ちくぜん)福岡にあって独自の歌風を築いた言道が、自作を世に問うべく60歳にして大坂に上り、中の島に寓居(ぐうきょ)、10余年来の歌数万のなかから971首厳選し、自ら版下を書いて刊行した。その歌風は、着眼発想において奇抜、精緻(せいち)な観察を口語調のことばに盛って軽妙洒脱(しゃだつ)、斬新(ざんしん)な趣(おもむき)がある。「妹(いも)が背に眠るわらはのうつつなき手にさへめぐる風車かな」「さそひゆくちからつかれて散る花を流るる水にゆづる山風」。
[穴山 健]
『『校註国歌大系19』(1977・講談社)』
中国のゴビ砂漠などの砂がジェット気流に乗って日本へ飛来したとみられる黄色の砂。西日本に多く,九州西岸では年間 10日ぐらい,東岸では2日ぐらい降る。大陸砂漠の砂嵐の盛んな春に多いが,まれに冬にも起る。...