荷電共役変換(読み)かでんきょうやくへんかん(その他表記)charge conjugation

ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典 「荷電共役変換」の意味・わかりやすい解説

荷電共役変換
かでんきょうやくへんかん
charge conjugation

量子力学において,粒子とその反粒子を入替える変換。C 変換ともいう。たとえば,電子と陽電子陽子反陽子,π+ 中間子と π- 中間子,Λ 粒子と 粒子の入替えのことをいう。ただし,π0 中間子や η 中間子などはそれぞれ自分自身に変換される。現在までの実験結果によれば,この変換に関して強い相互作用電磁相互作用は不変であるが,弱い相互作用は不変でない。粒子とその反粒子の波動関数 (または場の演算子) をそれぞれ ψ および ψc とするとき,この変換は ψ と ψc を入替える演算である。荷電共役変換に関して,二成分ニュートリノの波動方程式は不変でないが,他の素粒子が従う波動方程式は不変である。

出典 ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典について 情報

今日のキーワード

南海トラフ臨時情報

東海沖から九州沖の海底に延びる溝状の地形(トラフ)沿いで、巨大地震発生の可能性が相対的に高まった場合に気象庁が発表する。2019年に運用が始まった。想定震源域でマグニチュード(M)6・8以上の地震が...

南海トラフ臨時情報の用語解説を読む

コトバンク for iPhone

コトバンク for Android