菅浪郷(読み)すがなみごう

日本歴史地名大系 「菅浪郷」の解説

菅浪郷
すがなみごう

古代の江沼えぬま郡九郷(和名抄)の一、菅浪郷の系譜を引く中世の郷で、現大菅波おおすがなみ町・小菅波こすがなみ町を遺称地とする。中世の菅生すごう(菅生石部神社)神主職を継承した狩野(敷地)氏が福田ふくだ庄菅浪郷地頭であることから、菅生石部すごういそべ神社の「敷地」にあたる現大聖寺敷地だいしようじしきじ大聖寺天神下だいしようじてんじんした町を含む範囲と考える説がある(江沼志稿)

寛元元年(一二四三)閏七月の関東下知状によって福田庄地頭職と菅生社神主職の領有を確認されていた狩野氏は(弘安一〇年一〇月一一日「関東下知状」東福寺文書)、福田庄内菅浪郷地頭職、ついで同郷公文職も継承した(永徳二年八月二七日「足利義満御判御教書」狩野文書)


菅浪郷
すがなみごう

和名抄」所載の郷。高山寺本に「加奈三」、東急本・刊本に「加奈美」と訓ずる。遺称地は現加賀市大菅波おおすがなみ町・小菅波こすがなみ町。郷域はこの地域を中心に西方の同市敷地しきじ町までとする説が一般的であるが(日本地理志料・江沼志稿)橋立はしたて台地中央部に分布する宮地みやじ廃寺高尾たかお廃寺との関連性を指摘して、郷域の北側を橋立海岸まで広げる説もある。推定郷域内にはなだらかな台地地形が広がっており、台地上に小菅波古墳群と敷地古墳群が分布する。さらに奈良時代後半から平安時代前半にかけての遺跡として敷地鉄橋しきじてつきよう遺跡がある。

出典 平凡社「日本歴史地名大系」日本歴史地名大系について 情報

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