菫泥石(読み)きんでいせき(その他表記)kämmererite

日本大百科全書(ニッポニカ) 「菫泥石」の意味・わかりやすい解説

菫泥石
きんでいせき
kämmererite

緑泥石一種で、クロムを含むため特有の紫色系統の色をなす。まれに擬六角板状ないし三角板状、鋭い六角錐(すい)状の結晶をなすが、普通は鱗片(りんぺん)状結晶の集合である。クロム鉄鉱などを含む超塩基性岩中にのみ産する。トルコからは美しい大形の錐状結晶が産する。英名はロシアの鉱山局長であったケンメレルA. A. Kämmererにちなんで命名された。ただし、鉱物学上はクリノクロアclinochlore(緑泥石の一種)の一変種とされ、独立した鉱物種ではない。

松原 聰]


菫泥石(データノート)
きんでいせきでーたのーと

菫泥石
 英名    kämmererite
 化学式   (Mg,Al,Cr)6(AlSi3O10)(OH)8
 少量成分  Fe
 結晶系   単斜
 硬度    2
 比重    2.6
 色     赤~赤紫
 光沢    ガラス
 条痕    淡紫~白
 劈開    一方向に完全
       (「劈開」の項目を参照

出典 小学館 日本大百科全書(ニッポニカ)日本大百科全書(ニッポニカ)について 情報 | 凡例

最新 地学事典 「菫泥石」の解説

きんでいせき
菫泥石

kämmererite

クロムを含むクリノクロア(clinochlore,緑泥石の一種)の変種名。紫紅~濃紅色の三角厚板状結晶,あるいは皮殻状・粉状。クロム鉄鉱・クロム苦土鉱灰クロムざくろ石などに伴う。薄片では淡ピンク色屈折率α1.580~1.597, β1.585~1.598, γ1.586~1.600, 2V(-)30°~40°。

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