日本大百科全書(ニッポニカ) 「菫泥石」の意味・わかりやすい解説
菫泥石
きんでいせき
kämmererite
緑泥石の一種で、クロムを含むため特有の紫色系統の色をなす。まれに擬六角板状ないし三角板状、鋭い六角錐(すい)状の結晶をなすが、普通は鱗片(りんぺん)状結晶の集合である。クロム鉄鉱などを含む超塩基性岩中にのみ産する。トルコからは美しい大形の錐状結晶が産する。英名はロシアの鉱山局長であったケンメレルA. A. Kämmererにちなんで命名された。ただし、鉱物学上はクリノクロアclinochlore(緑泥石の一種)の一変種とされ、独立した鉱物種ではない。
[松原 聰]
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