(読み)イ

デジタル大辞泉 「萎」の意味・読み・例文・類語

い【萎】[漢字項目]

常用漢字] [音](ヰ)(呉)(漢) [訓]なえる しぼむ しおれる
勢いがなくなる。「萎縮萎靡いび陰萎

出典 小学館デジタル大辞泉について 情報 | 凡例

精選版 日本国語大辞典 「萎」の意味・読み・例文・類語

しおれしほれ【萎】

  1. 〘 名詞 〙 ( 動詞「しおれる(萎)」の連用形名詞化 )
  2. しなやかであること。着馴れなどして柔らかであること。
    1. [初出の実例]「なよよかなる直衣(なほし)、しをれよいほどなる掻練(かいねり)の袿(うちき)ひとかさね」(出典蜻蛉日記(974頃)下)
  3. 弱々しい哀れさ。生気のないさびしさ。また、そうしたもののかもし出す情趣
    1. [初出の実例]「源俊頼は更に歌をしらぬ好士也。その故は〈略〉しほれ、不便、もの悲しき方の欠けたるとの給へるなるべし」(出典:所々返答(1466‐70))

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普及版 字通 「萎」の読み・字形・画数・意味


常用漢字 11画

(旧字)
12画

[字音] イ(ヰ)
[字訓] かれる・なやむ・なえる

[説文解字]

[字形] 形声
声符は委(い)。委に、しなやかの意がある。〔説文〕一下に「牛を(やしな)ふなり」とあり、まぐさの意とする。草木の枯れしぼむことをいう。

[訓義]
1. かれる、枯草、牛馬のまぐさとする。
2. 痿と通じて、なやむ、なえる、すべて生色・生気を失うことをいう。

[古辞書の訓]
名義抄〕萎 シワム・ナユ・シボム・アサヤカナリ・シゲル 〔字鏡集〕萎 カル・ナユ・シホム・シハム・ヲト(ロ)フ・シゲル・アサヤカナリ

[語系]
萎・委・逶・・痿iuaiは同声。みな、しおれなやむ意がある。ian、iaも同系。草の黄ばむことをいう。

[熟語]
萎花・萎黄萎死・萎謝・萎弱・萎縮萎悴・萎萎切・萎絶・萎・萎・萎頓・萎靡・萎約萎落
[下接語]
委萎・猗萎・枯萎・黄萎・傷萎・衰萎

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