日本大百科全書(ニッポニカ) 「葛菓子」の意味・わかりやすい解説
葛菓子
くずがし
葛粉を用いて製した菓子全般をいう。生菓子には葛ちまき(水繊(すいせん)ちまき)、葛餅(もち)、葛桜、葛切り、葛まんじゅう、葛団子などがあるほか、上生菓子の材料として、精選した吉野葛が使われる。干菓子では『守貞漫稿(もりさだまんこう)』に、延宝(えんぽう)年間(1673~81)のころ江戸・本所馬場の葛煎餅(せんべい)が名物であったと記されている。また京干菓子にも用いられているが、現在、有名なのは奈良県特産の吉野葛でつくる「吉野拾遺(よしのしゅうい)」など、一連の葛落雁(らくがん)である。これは干菓子ではあるが、熱湯に溶き、葛湯として用いる菓子である。
[沢 史生]
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