生菓子(読み)なまがし

ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典の解説

生菓子
なまがし

保存のあまりきかない,乾燥していない菓子のこと。上生類 (細工物の練り切り求肥物) ,半生類 (寒天物,掛物,運平物,求肥物,羊羹〈ようかん〉物) に分けられる。上生類は,上等の生菓子ということで,あんでつくった細工物,軟らかい求肥,やまといもを用いた薯蕷 (しょよ) 物がある。茶道とともに発達した菓子で,祝儀法事神供にも使われ,季節によって変化させる。半生類は,生菓子と干菓子中間で,保存がややきく。江戸時代の終り頃,柚べし,豆板,五家宝などが江戸で大流行した。羊羹や最中 (もなか) は,全国的にさまざまの品がある。

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和・洋・中・エスニック 世界の料理がわかる辞典の解説

なまがし【生菓子】

水分を多く含み、日もちのしない菓子。あんや寒天を用いたものが多く、代表的なものとして、水ようかん・まんじゅう・どら焼き・桜餅(さくらもち)などがある。洋菓子では、クリーム果物を用いたものが多く、代表的なものとして、シュークリーム・ショートケーキババロアなどがある。⇔干菓子◇食品衛生法に基づく厚生省(現厚生労働省)の通知では、「(1)出来上がり直後において水分40%以上を含有する菓子類。(2)、クリーム、ジャム、寒天若しくはこれに類似するものを用いた菓子類であって、出来上がり直後において水分30%以上含有するもの」と定義され、消費者庁の表示指導要領もこれに沿っている。

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日本大百科全書(ニッポニカ)の解説

生菓子
なまがし

和菓子の場合は落雁(らくがん)などの干菓子に対する語で、水分を多く含むため長もちしない菓子をいい、餅(もち)菓子やまんじゅうなどのように、主として餡(あん)類を用いた菓子をいう。和生菓子に対して洋生菓子は、スポンジケーキ、シュークリーム、バターケーキ、パイなど、クリームや果物を使った菓子をさす。

 和生菓子をさらに分類すると、蒸し物、練り物、棹(さお)物、焼き物、餅類などに分けることができるが、これらは一つの菓子で蒸し物や練り物であって棹物であるもの、焼き物であるが餅類であるものなど、いくつかの性格を有する場合が多い。また菓子の品質によって上生菓子、並生菓子、雑生菓子と区別したり、焼き物である場合に半生菓子ということもある。およその分類は次のようになる。(1)蒸し物 まんじゅう(上、並)、蒸し羊かん(棹)、軽羹(かるかん)、蒸し時雨(しぐれ)など。(2)練り物 練り羊かん(棹、上、並)、練り切り、水羊かん(棹)、きんとん、金玉(きんぎょく)かんなど。(3)棹物 羊かん、ういろう(餅)。(4)焼き物 最中(もなか)、金鍔(きんつば)、カステラ、どら焼きなど。(5)餅類 鳥の子餅、椿(つばき)餅、桜餅、柏(かしわ)餅、菱(ひし)餅、求肥(ぎゅうひ)、葛(くず)餅、わらび餅、柚餅子(ゆべし)、大福、餡餅、安倍川(あべかわ)餅、ちまきなど。

 このほか、掛け物をした石衣(いしごろも)や焼き物の栗(くり)まんじゅうなどは半生菓子であり、今川焼などは雑生菓子の部類に入る。

[沢 史生]

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精選版 日本国語大辞典の解説

なま‐がし ‥グヮシ【生菓子】

〘名〙
① 干菓子に対する語で、水分を含んでいるため長持ちしない菓子をいう。主としてあん類を用いた菓子。餠菓子、まんじゅうの類。
※随筆・槐記(茶道古典全集所収)‐享保一六年(1731)二月二七日「薄茶、生菓子等御持参」
② クリーム、果物などを使った水分の多い洋菓子。
※海に生くる人々(1926)〈葉山嘉樹〉三二「外国人がクリスマスに食べるやうなパイや、その他種々な生菓子が」

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世界大百科事典内の生菓子の言及

【和菓子】より

…調布は唐まんじゅう様の皮でぎゅうひを巻き,表面に焼印を押す。(5)生菓子(なまがし) 水分が多く変質しやすい生物(なまもの)の菓子の意で,干菓子に対する語。種類はさまざまで,前記の餅菓子以下の大半はこれに属するが,それ以外に練切(ねりきり)物,ぎゅうひ物,鹿の子(かのこ),時雨(しぐれ)などがある。…

※「生菓子」について言及している用語解説の一部を掲載しています。

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