生菓子(読み)ナマガシ

デジタル大辞泉 「生菓子」の意味・読み・例文・類語

なま‐がし〔‐グワシ〕【生菓子】

あんを主に用いた和菓子もち菓子蒸し菓子まんじゅうようかんの類。水分を多く含むため長もちしない。⇔干菓子ひがし
クリーム・果実・ゼリーなどを使った水分の多い洋菓子シュークリームの類。
[類語]菓子和菓子洋菓子茶菓子銘菓名菓粗菓茶請けお茶請けスナック菓子餅菓子駄菓子半生菓子蒸し菓子焼き菓子打ち菓子打ち物干菓子ひがし

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精選版 日本国語大辞典 「生菓子」の意味・読み・例文・類語

なま‐がし‥グヮシ【生菓子】

  1. 〘 名詞 〙
  2. 干菓子に対する語で、水分を含んでいるため長持ちしない菓子をいう。主としてあん類を用いた菓子。餠菓子、まんじゅうの類。
    1. [初出の実例]「薄茶、生菓子等御持参」(出典:随筆・槐記(茶道古典全集所収)‐享保一六年(1731)二月二七日)
  3. クリーム、果物などを使った水分の多い洋菓子。
    1. [初出の実例]「外国人がクリスマスに食べるやうなパイや、その他種々な生菓子が」(出典:海に生くる人々(1926)〈葉山嘉樹〉三二)

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日本大百科全書(ニッポニカ) 「生菓子」の意味・わかりやすい解説

生菓子
なまがし

和菓子の場合は落雁(らくがん)などの干菓子に対する語で、水分を多く含むため長もちしない菓子をいい、餅(もち)菓子やまんじゅうなどのように、主として餡(あん)類を用いた菓子をいう。和生菓子に対して洋生菓子は、スポンジケーキ、シュークリーム、バターケーキ、パイなど、クリームや果物を使った菓子をさす。

 和生菓子をさらに分類すると、蒸し物、練り物、棹(さお)物、焼き物、餅類などに分けることができるが、これらは一つの菓子で蒸し物や練り物であって棹物であるもの、焼き物であるが餅類であるものなど、いくつかの性格を有する場合が多い。また菓子の品質によって上生菓子、並生菓子、雑生菓子と区別したり、焼き物である場合に半生菓子ということもある。およその分類は次のようになる。(1)蒸し物 まんじゅう(上、並)、蒸し羊かん(棹)、軽羹(かるかん)、蒸し時雨(しぐれ)など。(2)練り物 練り羊かん(棹、上、並)、練り切り水羊かん(棹)、きんとん、金玉(きんぎょく)かんなど。(3)棹物 羊かん、ういろう(餅)。(4)焼き物 最中(もなか)、金鍔(きんつば)、カステラ、どら焼きなど。(5)餅類 鳥の子餅、椿(つばき)餅、桜餅、柏(かしわ)餅、菱(ひし)餅、求肥(ぎゅうひ)、葛(くず)餅、わらび餅、柚餅子(ゆべし)、大福、餡餅、安倍川(あべかわ)餅、ちまきなど。

 このほか、掛け物をした石衣(いしごろも)や焼き物の栗(くり)まんじゅうなどは半生菓子であり、今川焼などは雑生菓子の部類に入る。

[沢 史生

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和・洋・中・エスニック 世界の料理がわかる辞典 「生菓子」の解説

なまがし【生菓子】

水分を多く含み、日もちのしない菓子。あんや寒天を用いたものが多く、代表的なものとして、水ようかん・まんじゅう・どら焼き・桜餅(さくらもち)などがある。洋菓子では、クリームや果物を用いたものが多く、代表的なものとして、シュークリーム・ショートケーキ・ババロアなどがある。⇔干菓子◇食品衛生法に基づく厚生省(現厚生労働省)の通知では、「(1)出来上がり直後において水分40%以上を含有する菓子類。(2)餡、クリーム、ジャム、寒天若しくはこれに類似するものを用いた菓子類であって、出来上がり直後において水分30%以上含有するもの」と定義され、消費者庁の表示指導要領もこれに沿っている。

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ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典 「生菓子」の意味・わかりやすい解説

生菓子
なまがし

保存のあまりきかない,乾燥していない菓子のこと。上生類 (細工物の練り切り,求肥物) ,半生類 (寒天物,掛物,運平物,求肥物,羊羹〈ようかん〉物) に分けられる。上生類は,上等の生菓子ということで,あんでつくった細工物,軟らかい求肥,やまといもを用いた薯蕷 (しょよ) 物がある。茶道とともに発達した菓子で,祝儀,法事,神供にも使われ,季節によって変化させる。半生類は,生菓子と干菓子の中間で,保存がややきく。江戸時代の終り頃,柚べし,豆板,五家宝などが江戸で大流行した。羊羹や最中 (もなか) は,全国的にさまざまの品がある。

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世界大百科事典(旧版)内の生菓子の言及

【和菓子】より

…調布は唐まんじゅう様の皮でぎゅうひを巻き,表面に焼印を押す。(5)生菓子(なまがし) 水分が多く変質しやすい生物(なまもの)の菓子の意で,干菓子に対する語。種類はさまざまで,前記の餅菓子以下の大半はこれに属するが,それ以外に練切(ねりきり)物,ぎゅうひ物,鹿の子(かのこ),時雨(しぐれ)などがある。…

※「生菓子」について言及している用語解説の一部を掲載しています。

出典|株式会社平凡社「世界大百科事典(旧版)」

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