葛湯(読み)クズユ

関連語 名詞 実例 初出

精選版 日本国語大辞典 「葛湯」の意味・読み・例文・類語

くず‐ゆ【葛湯】

  1. 〘 名詞 〙 葛粉に砂糖を加え、熱湯を注いでかきまぜた食べ物。《 季語・冬 》
    1. [初出の実例]「葛湯(クヅユ)をしてくれたり、蜜柑を買って来る」(出典真景累ケ淵(1869頃)〈三遊亭円朝〉八)

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日本大百科全書(ニッポニカ) 「葛湯」の意味・わかりやすい解説

葛湯
くずゆ

デンプン、またはかたくり粉水溶きに砂糖を加え、熱湯を注ぐか、鍋(なべ)で煮てどろりとさせた飲み物。体が温まることと、葛の発汗作用などから、かぜの初期に用いるとよいといわれてきた。成分的には、純粋のデンプンに砂糖を加えただけのもので、取り立てて特徴のあるものは含まれていないが、抹茶牛乳オレンジジュースなどを加えてつくることができ、その分の栄養分が補足される。寒いとき、体を温めるには、腹にもたれずよい飲み物である。

河野友美

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世界大百科事典(旧版)内の葛湯の言及

【片栗粉】より

…現在ではほとんど生産されず,片栗粉の市販品はジャガイモやトウモロコシのデンプンの精製品である。葛粉(くずこ)の代用として葛湯にしたり,和菓子の材料とされるほか,あんかけ,揚物などの料理に用いられる。小林一茶は《父の終焉日記》(1801)の中で,〈かたくりなど練りて〉と,葛湯にして病床の父に勧めたことを記している。…

※「葛湯」について言及している用語解説の一部を掲載しています。

出典|株式会社平凡社「世界大百科事典(旧版)」

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