葦簾(読み)アシスダレ

デジタル大辞泉 「葦簾」の意味・読み・例文・類語

あし‐すだれ【××簾】

葦を編んで作ったすだれ。よしず。
鈍色にびいろの布でへりをつけたすだれ。天皇が喪に服している仮屋に掛けた。

よし‐すだれ【××簾/××簾】

ヨシの茎を編んで作ったすだれ。よしず。 夏》

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精選版 日本国語大辞典 「葦簾」の意味・読み・例文・類語

あし‐すだれ【葦簾】

  1. 〘 名詞 〙
  2. 葦の茎を編んで作ったすだれ。大嘗会(だいじょうえ)または諒闇(りょうあん)の時などに日よけや目かくしとして用いる。よしず。
    1. [初出の実例]「正一人。〈掌薦席牀簀苫。及鋪設。洒掃。蒲藺葦簾等事〉」(出典令義解(718)職員)
    2. 「寝殿は端はづれたる小さき萱屋(かやや)、〈略〉あしすだれかけたり」(出典:宇津保物語(970‐999頃)藤原の君)
  3. 鈍色(にびいろ)の布でふちどったもの。諒闇の時、天皇のおこもりになる座にかける。
    1. [初出の実例]「廿四日、撤尋常御簾蘆簾〈以鈍色細布為端冒額〉」(出典:西宮記(969頃)一七)

よし‐すだれ【葦簾・葭簾】

  1. 〘 名詞 〙 葦を編んで作った簾。よしず。《 季語・夏 》
    1. [初出の実例]「近江〈略〉葭箔(ヨシスダレ)」(出典:俳諧・毛吹草(1638)四)

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世界大百科事典(旧版)内の葦簾の言及

【すだれ(簾)】より

…すだれは光や風をとおすと同時に外から内部(暗部)が見えないという効用があり,扱いもかんたんで安価な屛障具として広く用いられた。ヨシで作ったすだれには2種類あり,葦(あし)すだれとよぶものは大喪中に使う御簾のことで,鈍色(にびいろ)(濃いねずみ色)の縁がつく。もう一種は〈よしず〉で,アシはヨシの異称である。…

※「葦簾」について言及している用語解説の一部を掲載しています。

出典|株式会社平凡社「世界大百科事典(旧版)」

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